8月に運営会社の従業員のストライキが発生して営業が2日間停止した、東北道・佐野サービスエリア(SA=栃木県佐野市)上り線のフードコートと売店が24日、通常営業を再開した。「ケイセイ・フーズ」労働組合の社員がSAに完全復帰し、レストランでは40年以上、レシピを守ってきた名物「佐野ラーメン」を提供。関係者は、迷惑をかけた利用客に謝罪と還元の思いを込めて“ストラーメン”などの新メニューを提供する考えを明かした。

午前11時、レストラン中央従業員が集合し、利用客に一礼して通常営業が再開した。7月に労働組合を立ち上げ労働環境の改善を訴える中、会社の資金繰りの悪化が発覚し、そのことを岸敏夫社長に追及した前総務部長の加藤正樹氏が解雇され、ストに発展。仲介人を立てた交渉は難航も、経営陣が17日になって22日の現場復帰を打診。組合側は同日午前6時にSAに戻り、清掃などを続け通常営業再開に至った。加藤氏は「本当にホッとした」と語る一方、経営側との交渉は口答ベースで、岸社長の退任は内定も細部は確認と今後の交渉が必要だと語った。

加藤氏とストを支えた井原永治支配人は「お客さまに申し訳ない気持ちを形にしたい」と語った。具体的にはストをキーワードに、チャーシューなど具を隠した作りをした“ストラーメン”などのメニューを開発する。10月1日からの提供を目指すが、ストで対応がままならなかった消費増税の対応を優先するという。【村上幸将】