萩生田光一文科相の「身の丈入試」発言で、ようやく世間の注目を集めた、大学入試改革。教育現場を大混乱させている、2020年度開始の大学入学共通テストは、そもそもどんな内容が予定されているのか、変更点を中心にまとめた。

■目的=大きく変化する時代の中で新たな価値を創造していく力を育てるために「学力の3要素」=<1>知識・技能、<2>思考力・判断力・表現力、<3>主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を育成評価することが重要。そのために高校、大学、大学入試を一体改革する必要がある。

■2020年度(21年1月)から現行の大学入試センター試験に代え「大学入学共通テスト」を導入。

■「一般入試」「推薦入試」「AO入試」を、「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」とし、いずれも「学力の3要素」をみる。

■国語、数学=一部に記述式問題を導入。採点は約61億円で落札したベネッセグループの学力評価研究機構が担当する。「50万人分を短時間に公正に採点できるのか」「思考力などを問うという目的にほど遠い問題になり形骸化するのではないか」などの指摘がある。

■英語=従来の「読む」「聞く」の2技能に加え、民間検定試験で「話す」「聞く」も評価する。来年4~12月に6団体7種類から選択し、最大2回分を大学入試センターに登録。受験生が取得する共通IDで成績が大学に提供される。現在も日程、会場など未定が多く、教育現場で受験計画を立てられないなど大混乱している。また高校2年までに受けていても、高校3年時に受け直さなければならない。異なる試験は、語学能力を測る指標CEFR(セファール)で比較し6段階に分けるという。その成績の使用の可否、活用方法などは、各大学の判断。なお対策本を自ら販売する実施団体もある。参加予定だった大手の1つTOEICは今夏に「責任ある対応が困難」として撤退した。