政府と抗議活動を展開する民衆との衝突が激化する香港で11日朝、香港島東部の西湾河で、警察官が抗議デモに参加した若者らに実弾3発を発射し、撃たれた21歳の柴湾大の学生が重体となった。香港警察も会見で事実関係を認めた。

香港メディア「立場新聞」電子版によると、男性は病院で手術を受け、肝臓と腎臓の右側が損傷したため切除し銃弾を取り除いた。手術終了後は集中治療室(ICU)に収容されたという。民主化運動家の周庭(アグネス・チョウ)氏は、ツイッターに警察官が意識を失った男性を無理やり、起こそうとした動画を投稿。「香港警察はすでに殺人鬼のようです」と憤った。

また同日午後、九竜半島北部の新界地区で、57歳の男性が男性と言い争っている最中、黒ずくめの服を着た別の男性に頭から液体をかけられた上、火を付けられ上半身が炎上した。香港メディア「蘋果日報(アップルデイリー)」は、男性は上半身の皮膚が焼け、皮がむけ、当初は意識があって歩いていたものの、その後、重体に陥り生命が危険な状態にあると報じた。

蘋果日報は、男性が黒い服を着た集団に「お前たちは、みんな中国人だ」と言った後、言い合いをしていて、火を付けられたと報じた。目撃者は「彼は液体をかけられた後、火を付けられ焼けた」と語った。ただ、この事件は香港の一部メディアは報じておらず詳細ははっきりしていない。

香港では8日、抗議活動現場近くのビルから転落した男子大学生が死亡し、緊張がさらに高まっていた。