安倍晋三首相は7日、自民党本部で開かれた仕事始めで、自身の自民党総裁任期に関して「桃栗3年、柿8年」のたとえを引き合いにしながら、思わせぶりな表現を連発し、会場をざわつかせた。

第2次安倍政権発足から、約3年が経過した後の16年の仕事始めの際、「桃栗3年」に言及したことを振り返り、「(3年を終えた段階で)桃と栗は収穫することができた。柿(の8年)はありませんと申し上げたが、これまで6回(の国政)選挙に勝ち抜いた。国民のために、りっぱな柿の収穫を行いたい」と述べ、政権発足から8年目となる今年の政権運営に、意欲を示した。

その上で、首相は「実は、この先があるんです」と言及。会場内は、党内で取りざたされる「総裁4選」を念頭に、「おおー」と、ざわついた。首相は「ゆずは9年の花盛り、という。ゆずまでは、私も責任を持って大きな花を日本に咲かせたい」と述べ、第2次政権発足から9年となる来年9月に迎える、総裁3選の任期満了までは、今の立場で務め上げる意向を示唆した。

この後、首相は「さらに、その先もありまして…」と続けたため、会場は再びどよめきに包まれた。すると首相は「梅はすいすい13年、梨はゆるゆる15年、りんごはにこにこ25年、だ」と、どんどん年数を増やしていったが「こういうものの収穫は、ここにいる皆さんが中心になって得てもらいたい」とオチをつけることで、自身の総裁4選や、さらなる長期政権の臆測は否定し、ポスト安倍への期待を示した。

首相はまた「私たちに課せられた大きな責任でもある憲法改正に向けて、大きな歩みを進めていこうではありませんか」とも述べ、憲法改正に取り組みたいとの意欲を、あらためてにじませた。