新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、東京の観光スポットである浅草にも異変が起こっている。浅草にある人気のシティーホテルの関係者は「稼働率が前年の90%からおよそ半分の50%に落ちている」と嘆いた。

このホテルの利用者は、もともと海外からの観光客より国内の観光客の方が多いという。中国からは団体旅行ではなく、個人旅行が多い。

国内の観光客が多いため、深刻な打撃にはなっていないというが、昨年までは見たことがなかった稼働率の50%を目にする日もあるという。このホテル関係者は「今後、国内旅行も何らかの規制をかけられるようでは、ホテル業界も大打撃を受けますよね」と話した。

3連休の初日を迎えた22日、浅草寺前の仲見世商店街でも、普段よりも観光客の出足は鈍い。ある飲食店店員は、「いつも着物レンタルは中国の方が大勢借りるのに、今は日本人しか見なくなった」と話した。浴衣を着る人から聞こえて来るのは日本語が多い。

「浅草ちょうちんもなか」の50代店員は「店の売り上げは半分以下」と話す。「お寺に参拝する人はいつもの半分くらいです。しかし、飲食店は、みんな敬遠しているのか、なかなか入って来られないんです」と、売り上げにも影響している様子を説明した。

店はアルコール消毒液を置き、マスク着用で接客するなどの対策を行っている。いつも休日よりも静かな状態にも「今は我慢するしかない。薬が早くできて、みんなが通常の生活に戻れればね…」と願った。

ゴールデンウイーク、7月には東京五輪・パラリンピックを控える。海外から多くの観光客も見込まれる行事がめじろ押しだ。店員は事態が早く収束することを願い「大型イベントの時には、お客さんとマスクなしで笑顔でお話ができればいい」と話した。【佐藤勝亮】