東京都の小池百合子知事が19日、都庁で定例会見を開き、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、開催の是非が議論されている東京オリンピック(五輪)パラリンピックについて「中止も無観客もあり得ない」と強調した。

質疑応答の冒頭で「東京五輪の延期論について、頭の中にあるか?」と質問が出た。小池知事は「いろいろな方が、いろいろなことをおっしゃっているわけで、昨日は選手、アスリートの方が、いろいろな声を上げておられる」と、選手の間からもさまざまな声が上がっていると口にした。その上で「開催都市の長として申し上げることは、以前から申し上げているが、中止も無観客もあり得ない」と答えた。そして「開催都市の思いは、いかに安心で安全な大会に出来るか。政府と相談し、開催都市としての責任を果たしたい。具体的にどうこうという段階ではないかと思います」と説明した。

また、IOC委員が開催の判断の期限を5月末に判断すると示したことを受けて「アスリートファーストを考えれば、いつごろ結論を出すのが望ましいか?」という質問が出た。小池知事は「今、お答えするタイミングではないと思います。でもアスリートの方の気持ちは、私はウエートリフティング協会の会長をやっていた。食事だとかけがの具合がどうだとか、大会に向けて万全の準備を進められているが故、選手の方の気持ちがよく分かる」と答えた。その上で「コロナに打ち勝たないといけないのが、まず前提。あちこちで国境が封鎖され、移動が難しいのが現状。開催国、開催都市としての立場をIOCに伝えていくのが役割」と答えた。

【村上幸将】