安倍晋三首相は5日、前日に続いて、官邸に休日出勤した。東京都で、新たに新型コロナウイルスの感染が確認された人が1日の数字の最多を更新し、全国でも感染例が相次いでいることを受け、菅義偉官房長官や加藤勝信厚労相、西村康稔経済再生担当相らと協議。今後の対応を話し合ったとみられる。

当面は、政府がいつ緊急事態宣言に踏み切るかに焦点が移っている。小池都知事や大阪府の吉村洋文知事ら都市部の首長は、早期の発令を求めているが、政府は慎重な立場だ。一因は、緊急事態宣言を出すことで、悪化している日本経済をさらに冷え込ませかねないとの危機感があるためだ。発令した場合でも諸外国と異なり、「要請」のベースではあるが、「これまで経験のない戦い」(関係者)だけに、国民生活に与えるハレーションも十分見通せない側面もあるようだ。

発令のひとつの目安は、感染者数の急速な拡大とされてきた。東京では感染確認者が日に日に拡大しており、政府が厳しい判断を迫られているのは確かだ。