政府の緊急事態宣言の対象地域となった7都府県のうち東京都、神奈川県に続き、大阪府が13日、民間施設に休業要請することを正式に決定した。

一方で事業者側への「休業補償」として現金給付を決定したのは東京都だけ。大阪府庁で会見した吉村洋文知事(44)は「公権力が民間に休業をお願いするなら、補償もセットでやるべきだ」と不満をぶちまけた。

これまで国と休業補償について粘り強く交渉してきたが、一貫して補償は実施しないとする国の姿勢に対し、吉村氏は「本来、国がやるべきこと。国会議員の怠慢だ」と、珍しく語気を荒らげた。

7都府県のうち、埼玉、千葉、兵庫、福岡でも13日、店舗や施設への休業要請が広がり、足並みはそろった形だ。ただ、休業補償については、東京と「格差」が生じている。東京は事業者に1店舗で50万円、2店舗以上なら100万円を上限に「協力金」を支払う。

会見で吉村氏は休業補償について「なぜ、東京のまねができないのか」との質問に「ここは正直に言わないといけない」と前置きし、「東京都は国のお金に頼らずにできる“独立国”。大阪とは予算規模が違う」。大阪府の年間予算が約5・6兆円なのに対し東京都は約15・5兆円で、吉村氏は「はっきり言って格が違う」と訴えた。他県も財政状況は大阪府と似ている。

大阪府は独自の支援策を検討中。国の自治体向け交付金も財源に活用したい考えだが、国の交付金も配分額も分からない状況だ。府幹部は「ない袖は振れない」。7都府県の休業補償の足並みがそろわない。【松浦隆司】