航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が29日、新型コロナウイルスへの対応を続ける医療従事者に敬意を表するため、午後0時40分から約20分間、都心上空を飛行した。飛行を見た都内在住の男性内科医(43)は「我々医療従事者にとってありがたいことですし、これから長い闘いになるので、士気が上がります。やる気が向上するのは間違いないです」と感謝した。

コロナと闘う医療現場について「淡々とやっている」と明かした。一方で取り巻く環境について「コロナは誰もが経験したことがないだけに、何が正しいのか、今の時点では、結論が出ていない。それなのに、現場の外で、医者同士が1つの結果に対して『どうなっているんだ』などと、感情的になっていがみ合うことがある。分析はいいですが、そこに感情が加わった批判は非生産的」ともみている。

そうした現状を踏まえながら「誰もが同じ空の下、同じもの(=ブルーインパルス)に目を向けることで、まとまりも出てくる。長い闘いに向けて、医療従事者も国民の皆さんも1つにまとまっていくことにつながるのでは」と期待した。

また、都内の総合病院勤務の男性外科医(38)は「抜けるような紺碧(こんぺき)に鮮やかに引かれた6本の白線は、ただただ美しいの一言だった。そこにはウイルスに対する怒りや、政府の対応などに対する憤りなどの感情はみじんもわかなかった」と話した。【近藤由美子】