将棋の藤井聡太七段(17)が、木村一基王位(46)への挑戦権獲得にまた1歩近づいた。13日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第61期王位戦挑戦者決定リーグ戦最終一斉対局で阿部健治郎七段(31)を下した。6人総当たりのこのリーグで初参加の藤井は5連勝。白組トップとなり、23日の挑戦者決定戦への勝ち上がった。

直近の王座戦2次予選(10日、大阪市「関西将棋会館」)では過去に連勝の後、連敗中の大橋貴洸六段(27)に敗れ、20年度初黒星を喫した。敗戦のショックから気持ちを切り替え、しっかり勝利を手にした。

初のタイトル戦として、渡辺明棋聖(36)に挑戦する棋聖戦5番勝負をこなしながらの対局。しかも、デビュー以来、史上初の4組連続優勝がかかる竜王戦3組(20日、大阪市)では師匠の杉本昌隆八段(51)と戦う。勝てば決勝トーナメントに進出し、豊島将之竜王(30)への挑戦権を争う。

来月開幕予定の王位戦7番勝負への挑戦権獲得まであと1勝。17歳10カ月20日の史上最年少でタイトル挑戦を果たした藤井が、昨年の王位戦で46歳3カ月の「史上最年長タイトル初獲得」を記録した木村と戦う日が近い。