通常国会で菅義偉首相による施政方針演説などに対する各党代表質問が20日、衆院本会議で始まった。

3密のリスク回避のため、約半数の議員のみが出席して論戦がスタートした。

先陣を切った立憲民主党の枝野幸男代表は、政府のコロナ対策を「判断の遅れを認め、反省することから始まるべき」と批判し、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックについて「ここまで目前に迫りながら世界的な感染拡大が収まらない以上、希望的観測で走るのは、かなり無責任。万一の事態に備えたプランBは、どのように検討して準備しているのか」と追及した。

会見や答弁で読み間違いを量産している菅氏が壇上に立つと、野党席から「頑張って」と皮肉のエールを送られた。五輪開催は「安全、安心な大会を実現するため、IOCや各競技団体とも相談しながら感染対策の具体的な内容を現在、検討している」と、開催延期など、負の想定などについて説明は一切なかった。

政府は五輪開催についてワクチン前提ではないとしているが、身内からも開催の再延期論が浮上した。盟友とされる日本維新の会代表の松井一郎大阪市長は、新型コロナウイルスの国内でのワクチン接種のスケジュールについて「今夏までに終えるのは不可能だ」と発言。五輪を24年に再延期し、24年予定のパリ五輪以降を4年ずつ繰り下げにする案をIOCと協議すべきとした。

菅氏は代表質問で、二階俊博幹事長からの質問に「2月下旬にワクチン接種を目指し、さらに1日でも早く」と、ワクチン接種の前倒しに意欲だけは示した。【大上悟】