総務省は22日、菅義偉首相の長男らによる同省幹部を接待問題に関する調査結果を報告した。既に判明していた4人が、13人へ一気に拡大。会食回数は延べ38回にのぼり、双方の「ズブズブの関係」があぶり出された。13人の1人には、首相に近い山田真貴子内閣広報官も含まれ、総務審議官時代、1席で7万円超の高額接待に長男と同席していたことが判明し政権に衝撃が走った。政府は国家公務員倫理規程違反に当たると判断しうち11人を懲戒処分する方針。首相は謝罪したが、前任の安倍晋三前首相に続き身内の問題で追い込まれつつある。

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山田氏には「クレーム電話疑惑」も浮上している。昨年10月26日に菅首相が出演したNHK「ニュースウオッチ9」の放送翌日に、NHK側に「総理怒ってますよ」などと抗議電話を入れた、と一部で報じられている。日本学術会議の任命問題に触れた有馬嘉男キャスターに抗議したものとされている。有馬キャスターは3月で番組を降板することが発表された。

立憲民主党の本多平直氏は22日の衆院予算委員会で「忖度(そんたく)を周りでして、報道に介入している疑惑。総理官邸から電話が入れば、おじけづくじゃないですか」と、追及した。これに首相は「本人に確認したところ、NHKにクレームの電話をしたという報道は事実じゃないと報告を受けている」と延べ、報道内容を否定した。

本多氏は「抗議じゃなくても、何らかの電話をしたかのかどうか確認してほしい」と食い下がったが、首相は「事実関係は確認した」と述べるだけで、最後まで電話の有無について明言を避けた。