東京都は14日、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が239人確認されたことを発表した。首都圏1都3県の緊急事態宣言の期限まで1週間となったが、6日連続で前の週の人数を上回るなど、増加傾向を見せている。前日の荒天から一転、青空が広がり最高気温も18度を超えた都内の繁華街は多くの人でにぎわいをみせた。街の人からは自粛疲れや、2週間延長を決めた政府の対応に、不満の声が上がった。

渋谷に担任の先生へのプレゼントを買いに来たという男子高校生(18)は「暖かい気温になってきたし、人出が増えるのはもう仕方がない」とし、「成人の人は飲食店が制限されて、昼に出歩くことが増えたのだと思う」と推測した。ベビーカーに子どもを乗せた渋谷区在住の30代女性は「家にいるばかりでは、子どもにとってもストレスがたまる」と語り、「人の多さに驚きました。もう誰も自粛しようとは思っていないんじゃないかな」と不安そうな表情を浮かべた。仕事で渋谷に訪れていたという50代の男性会社員は「政府が海外みたいに罰金とか厳しくしないと。補助金を支給するとかね。もうこれ以上、『自粛自粛』と促すだけは無理」と語った。

銀座の繁華街も多くの買い物客でにぎわっていた。付近に勤務するという50代女性は「歩行者天国じゃないのに、緊急事態宣言が再発令される前(1月8日以前)の土日より、人が増えて混んでいると思う」。埼玉県草加市から都内の大学に通う男子学生は「(2週間の緊急事態宣言の)延長は、意味なかったと思う。感染者も減っていないと聞くし、飲食店が8時までなのもつらい」と吐露した。

変異ウイルスの拡大などリバウンドの懸念も高まる中、政府は18日にも緊急事態宣言の解除か延長の判断を下す。【沢田直人】