大阪市中央区の繁華街ミナミで5日早朝、カニ料理店「大阪かに源道頓堀店」前にあったカニのオブジェが壊された事件で、20代の男性2人が店を訪れて壊したことを認め、謝罪したことが18日、店への取材でわかった。大阪府警南署が器物損壊容疑で捜査していた。

店によると、2人は8日の夕方ごろ、親を伴って店を訪れ、深々と頭を下げて謝罪。オブジェの制作費165万円を弁償したという。店は9日、署に被害届の取り下げを申し出た。店付近の防犯カメラには、2人が高さ3メートル幅1メートル約100キロのオブジェを蹴ったりした後、傾けて倒した様子が写っていた。

店舗の運営会社社長の武田源さんによると、謝罪を受けた際、2人は「飲食店で働いていたが時短で首になり、酒を飲んでむしゃくしゃしてやりました」と話していたという。

武田さんは、毎週日曜日にキリスト教で礼拝するクリスチャンで「キリストの教えは相手を許すこと。彼らも反省しているようだった」。武田さんは謝罪に来た2人を教会に連れていき「『過去の過ち全てをざんげして悔い改めなさい』と言った。そしたら一生懸命祈っていた」と明かした。2人は「また教会に来たい」と話していたという。

武田さんは「やったことはけしからん事だけど、コロナ時短がなかったらこんなことはしなかった。彼らも被害者なのかもしれない」と話した。【沢田直人】