重症病床が逼迫(ひっぱく)し、医療崩壊の危機に直面している大阪府医師会の茂松茂人会長が21日、日本記者クラブの求めに応じてズームで会見し、救急搬送の受け入れ先が見つからず、急変した自宅療養者を乗せた救急車が数時間から十数時間待機する事例が発生していることを明らかにした。

第3波と現在の第4波の違いは30代以下の感染急増で、30代以下の新規陽性者は昨年10月10日~今年2月28日の第3波では45・6%だったが、3月15日から4月13日では52・9%になった。

変異株に限ると新規陽性者は30代以下が57・2%と6割近くになっている。爆発的に感染が拡大した理由について「春休みで社会の中で動いているのが若い人だったことが原因ではないか」と茂松会長は分析する。

大阪府の吉村洋文知事は緊急事態宣言発出を要請している。昨年5月21日、1回目の緊急事態宣言が解除されたとき、大阪の新規陽性者は3人だった。今年2月28日、2回目の緊急宣言が解除されたときは54人だった。「100人をちょっと切った段階で解除すると、すぐに元に戻る。いかにベースラインを下げるか。ゴールデンウイークが明けるまでに10~20人になれば良しだが…」。1000人を超す新規陽性者を半月で100分の1に抑える劇的な改善が求められている。