大阪府の吉村洋文知事(45)は22日、大阪府庁で取材に応じ、政府による緊急事態宣言が発令された場合、府内で開催されるプロ野球やJリーグなどのスポーツイベントについて「中止、または延期の考えは変わらない」と改めて語った。その上で「もしくは無観客」と新たな選択肢を示した。無観客での開催に言及したのは初めて。

吉村知事は「多くの人が集まるイベントは避けるべきだと思っている」と主張し、政府との調整について「最終の詰めに入っている」とした。政府が「中止、延期、無観客」の提案を受け入れなかった場合は「支援策に必要な財源がないので、府独自の要請は考えていない」とした。

関西では大型連休を含む4月末からプロ野球など集客を伴うプロスポーツの試合が多く予定されている。プロ野球・オリックスの本拠地・京セラドーム大阪(大阪市)では27日からオリックス-楽天との3連戦などがある。Jリーグは5月2日にヤンマースタジアム長居(大阪市)でC大阪対G大阪の「大阪ダービー」が行われる予定。

16年ぶりのリーグVへ開幕ダッシュを決めた阪神タイガースの本拠地・甲子園球場(西宮市)がある兵庫県の井戸敏三知事(75)は宣言が発令された場合、期間中の甲子園球場でのプロ野球開催試合について、無観客の対応を取る可能性について言及している。

政府は22日、新型コロナウイルス感染の緊急事態宣言を東京都、大阪府、兵庫県に加え、京都府にも再発令する方針を固めた。23日の対策本部会合で発令を決める。発令期間は4月下旬から5月中旬までの3週間程度が軸。吉村知事は発令に関し「今週末から適用してほしい」と強く要望した。【松浦隆司】