愛知県常滑市の伊藤たつや市長は、同市で開催されたヒップホップ系野外フェス「NAMIMONOGATARI」の主催者に対し、抗議文を送付するとした。

伊藤市長は30日、ツイッターを更新。「昨日開催されたnamimonogatariについて、本日から始まりました市議会定例会の冒頭のあいさつで述べさせていただきました。本日付で主催者に対して抗議文を送付いたします」とした。

市議会定例会でのあいさつを記した文面も公開。その中で同市長は同フェスについて「このイベントは2016年から2019年まで、りんくうビーチで開催されていました。その際にもトラブルの絶えないイベントでしたので、今回の開催も大変危惧しておりました。そこで先週26日、イベント会場管理者を通じて主催者に国・県の要請やガイドラインを遵守すること、市民病院はひっ迫しており、ケガや熱中症等の救急搬送に対応が取れない可能性があること、市民との接触を避けるため、終了後は速やかに帰宅していただくことなどを勧告しました」と説明している。

しかし今回開催されたイベントの実態について、「上限人数の5000人をはるかに超え密集しており、酒類の提供も行われ、多くの人がマスクをつけない状態で行われていました。私たちの勧告もむなしく、国や県の要請、ガイドラインも全く守られていない、極めて悪質なイベントでありました」と批判。「コロナの感染状況が広がっている本市において、緊急事態措置のもと、文化会館などの公共施設を閉鎖して、感染拡大防止の取組を強めるなど、市民の皆様には多くの我慢をして頂いている中で、このようなイベントが開催されたことに、強い憤りを覚えます」とし、「主催者には今日付で、市民の努力を愚弄する悪質なイベントを開催したことへの遺憾の意と、今後二度と本市の施設であるりんくうビーチを使用させない旨を記した抗議文を送付いたします」とした。

同フェスは28日・29日の2日間、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催された。会場で多くの来場者が密集し、大声を出すなど、開催中の様子をとらえた映像などがネット上で拡散され、批判の声があがっていた。