小泉進次郎環境相は3日の閣議後会見で、求心力低下が著しい菅義偉首相について「仕事ぶりを国民に正当に評価される環境をつくるため、全力で支えていきたい」と述べた。

しかし会見終了直後、菅首相が辞任する意向であることが分かった。閣僚としての進次郎氏の首相への思いは、思わぬ形で途切れることになった。

進次郎氏は、自民党総裁選や衆院解散戦略、党役員人事への対応などで、党内外から首相に厳しい目が注がれる中、今週、4日連続で首相と会談。同じ神奈川県選出とはいえ、異例のペースだった。ブレーンの少ない首相に、党内の声や政策を含めて「直言」を続けてきたといわれる。

進次郎氏は会見で、首相の手法に対し、党内に疑心暗鬼が生まれていることを問われ「一部の周辺が考えていることが、総理の考えととらえられ、報じられている」と不快感を示し「疑心暗鬼(になること)はない」と訴えた。「(環境政策など)仕事への正当な評価を国民にしてもらえる環境をつくりたい。支える者として一番一番、考えていることだ」と、なんとしても「支える」意向を繰り返し、示していた。

また、首相の地元、自民党神奈川県連の土井隆典幹事長が2日、総裁選で首相を応援しない意向を示したという報道について「そのようにとらえる意図で言ったのではないと思う。それぞれが(誰を応援するか)考えるのが神奈川県連だ」と、反論していた。

首相にとって「相談相手以上」の立場といわれてきた進次郎氏。首相から、辞任する意向について、聞かされていたのだろうか。