土壇場で総裁選に滑り込んだ野田聖子幹事長代行は党本部で開催された共同記者会見で存在感を示した。前日16日の午後5時半に出馬を表明したばかり。この日までに政策会見などの日程も未定だ。それでも森友学園を巡る公文書改ざん問題については「反省をし、2度と起きないようにする。調査をする必要がある」と、再調査を求めることを強調。さらには、首相に就任した場合、閣僚の半分は女性を登用したいとの意向も示した。

森友学園を巡る問題に関しては岸田、河野、高市の3氏は、いずれも再調査に否定的な姿勢だ。安倍晋三前首相の支持を受ける高市氏は「現在、ご遺族が国など相手取って、提訴していらっしゃる状況。コメントはできない。コメントするべきではない」とした。

だが野田氏は「公文書の隠蔽(いんぺい)、偽造、改ざん、廃棄は絶対あってはならないこと。それが起きてしまった。それに関わった方が命を落とされたのは事実」とした。その上で「これについて多くの国民が納得していない」などと訴えた。

野田氏以外の3氏からは、安倍氏ら当時の政権中枢に対する配慮や忖度(そんたく)をうかがわせる。記者会見などの情報発信で先行されている野田氏だが、初の共同会見で巻き返しへ鮮烈な一手を放った。【大上悟】