プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの本拠地「ペイペイドーム」で、プロ野球選手のグラブなどを盗んだとして清掃員の男が窃盗罪で起訴された事件で、福岡県警は2日、東京ヤクルトスワローズの山田哲人内野手ら11球団78選手の野球用品824点(時価約824万円)の被害を確認し、捜査を終えたと発表した。

男は福岡県糸島市の中浜英寿被告(23)で、球団によると、直近ではなく、以前から同職に就いていたという。

福岡地裁で進められている公判などで被害が判明したのは、山田内野手とソフトバンクの今宮健太内野手の打撃用手袋と、ソフトバンクの和田毅投手と千賀滉大投手のグラブ。いずれも6月以降、ドーム内の選手ロッカールームなどから盗んだとしている。県警は4人以外の選手名や球団を明らかにしていない。

県警は昨年8月~今年8月、ロッカールームに繰り返し侵入し、盗んだ野球用品を古物店に売却したとみて裏付けを進めた。今年8月21日に逮捕報道がなされた後には、ソフトバンクの複数選手が「怖いですね」「気をつけたいですね」などと話していた。

中浜被告は、県警の調べに「金はギャンブルや生活費に使った」と供述。11月29日に福岡地裁で行われた公判でも「お金が欲しくてやった」と認めていた。公判での検察側の冒頭陳述などによると、中浜被告は施設内の清掃を担当する業者として出入り。盗んだグラブなどをスポーツ用品店に売却し、1000万円以上を得たとされている。

公判は今月6日に判決を控え、球団は「判決を受けてから対策など、コメントをいたします」とした。