5日、メキシコ湾上空で搭乗していたプライベートジェット機がエンジントラブルを起こして緊急着陸したことが報じられたトランプ前大統領が、自身が所有する通称「トランプ・フォース・ワン」と呼ばれるボーイング757を新調するため、支援者に寄付を呼びかけていることが分かった。

米ピープル誌などが報じたもので、16年の米大統領選時に使用していたトランプ・フォース・ワンは機体が古く修理が必要なため、買い替えのための資金を募っているという。

自身の政治活動委員会「セーブ・アメリカ」を通じて支援者に送られたメールは「皆さんトランプ・フォース・ワンを覚えていますか? 史上最高の大統領になる前、私はトランプ・フォース・ワンで全米を飛び回っていました」という文面から始まり、「皆さんが口外しないと信頼する必要がありますが、私のチームは新しいトランプ・フォース・ワンを製造しています。このことはフェイクニュースのメディアですら知らないことです。お披露目するのが待ち遠しい」とつづられている。

さらに寄付ページに誘導するリンクもついており、アクセスすると毎月最大2500ドル(約28万7500円)の定期寄付を求める画面になるという。

トランプ氏は11年にボーイング757を購入して大統領専用機エア・フォース・ワンに似せてカスタマイズしており、家紋入りヘッドレストとクッション、大型エンターテイメントシステムにバスルームも備えたマスターベッドルームもある超豪華な飛行機は、選挙戦中に度々話題になっていた。

しかし、1億ドル(約115億円)と言われるこの飛行機は19年から使われておらず、現在ニューヨーク市郊外の空港に駐機されている機体は修理が必要な状態だと英デイリー・メール紙は伝えている。91年製造の古い機体であるため修理費がかさむことから、買い替えを望んでいるという。

ちなみに、米ニューオリンズのホテルで行われた共和党後援者との会合後にフロリダ州パームビーチの自宅に戻る途中でエンジンが故障して緊急着陸した機体は、トランプ氏の支援者から貸し出されたものだったと伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)