アイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーでタレントの生稲晃子氏(53)が6日、今夏の参院選東京選挙区(改選数6)の自民党公認候補に正式決定し、党本部で会見した。

生稲氏は「自分の経験を政策とか法律、予算というものに反映させていくことができたら世の中のお役に立てるのではないか」と決意を語った。18歳で芸能界デビューし、以後36年にわたり活動してきた。私生活では結婚、出産、子育てをする一方で、2011年に乳ガンを告知され、2度の再発と5度の手術で右乳房を全摘出している。また経営する鉄板焼き店は「コロナ禍でかなりの苦しみを味わっています。私と同じように辛い思いをしていらっしゃる飲食業界のみなさまの声を政治に届ける役割も果たしていきたい」と決意を示した。

生稲氏は16年に政府が開催した「働き方改革実現会議」の民間メンバーの1人で、会合に出席していた世耕弘成元経産相(現自民党参院幹事長)から3月上旬に出馬を打診されて「月曜日(4日)に出馬を決めた」(生稲氏)という。

生稲氏擁立には、安倍晋三元首相率いる党内最大派閥の安倍派が動いた。参院東京選挙区は自民党現職の中川雅治元環境相、元ビーチバレーボール五輪代表の朝日健太郎氏が改選となるが、中川氏の引退に伴い後任探しが急務だった。中川氏、生稲氏をプッシュする世耕氏と自民党東京都連会長の萩生田光一経産相も安倍派。影響力を高めたい安倍氏や安倍派が、前回16年にトップ当選した立憲民主党の蓮舫氏の対抗馬として、知名度の高い生稲氏の擁立を図った。

おニャン子クラブの会員番号40番の生稲氏が、激戦区で改選6番以内をゲットし、おニャン子初の国会議員に名乗りを上げるか? 参院選は6月22日公示、7月10日投開票が有力で、元おニャン子たちも応援に駆けつける可能性もあり、早くも注目を集めそうだ。【大上悟】