作家の乙武洋匡(おとたけ・ひろただ)氏(46)が19日夜、夏の参院選東京選挙区(改選数6)に無所属で出馬することを表明した。乙武氏は自身のユーチューブ番組で「東京選挙区から、どの政党の支援も受けることなく、完全無所属という立場で立候補させていただくことを決意しました」と宣言した。20日に都内で正式会見を行う。

生まれつき手足のない「先天性四肢切断」の障害のある乙武氏は3歳から電動車いすで生活し、1998年に「五体不満足」を発表するなど作家として活躍している。2016年7月の参院選東京選挙区に自民党から立候補予定だったが、同年3月に女性との不倫関係を週刊誌に報じられ、出馬を断念した。

乙武氏は「本当は、この気持ちを6年前にみなさんにお伝えさせていただくはずでしたが、自分自身の本当に情けない私生活における不祥事によって自らその道を閉ざしてしまいました」などと改めて謝罪した。そして上で障害者や性的マイノリティーなど、さまざまに境遇の人たちに「諦めなくていい社会」の実現を訴えていくとした。

東京選挙区は全国屈指の激戦区で前回19年は20人、前々回16年は31人が立候補した。今回は立憲民主党の蓮舫、公明党の竹谷とし子、共産党の山添拓、自民党の朝日健太郎の現職4氏が立候補を予定している。自民党からアイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーでタレント生稲晃子、立民の松尾明弘、日本維新の会の海老沢由紀、ファーストの会代表の荒木千陽、れいわ新選組の依田花蓮ら各党が公認する新人各氏も出馬を表明している。参院選は6月22日公示、7月10日投開票の日程が有力となっている。