長野県中野市で警察官ら4人が撃たれるなどした立てこもり事件で、同市議会の青木正道議長(57)の長男の農業、青木政憲容疑者(31)が殺人の疑いで逮捕された。容疑者は父親の事業にかかわっていたとされるが、ある近くの住民は、最近の容疑者の様子について「ひきこもりがちだった」と話した。

父親の正道さんは当選3期目で、昨年から議長を務めている。地元で13代続く果樹農園を継ぎ、市議の活動とともに、19年には自社生産の完熟果実を加工販売するジェラート店「Gelateria Frutti(ジェラテリア・フルッティ)」を長野・旧軽井沢に開店。22年には中野市内に2店舗目を展開し、市のふるさと納税返礼品に採用されるなどしていた。容疑者は、店舗や農園「マサノリ園」の運営を、母親とともに担っていたともいわれるが、近隣からは「ひきこもり状態」との話も出ている。

ある市議会関係者は、5月に入って正道さんと会った時の印象を「特に変わった様子はなかった」と振り返り、事件に驚いていた。