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平松庚三氏宇宙へ、ホリエモンよりお先に

 昨年12月、新生ライブドア(現ライブドアホールディングス)社長を退任した平松庚三氏(62)が来年、日本人の「民間宇宙旅行者第1号」になる可能性が高いことが分かった。宇宙事業を目指す同社元社長堀江貴文被告(35)よりも、後任社長だった平松氏が一足先に宇宙を体験することになりそうだ。「50、60はハナタレ小僧」が信条の平松氏は今後、元気なシニア世代が対象のネット企業「小僧com」を経営。ヒマを見つけては、米国の砂漠をハーレーでぶっ飛ばす計画という。

 社長退任時にライブドア社員からプレゼントされた、胸に「自宅警備員」と書かれた特製のジョークTシャツをうれしそうに着た平松氏は、目を輝かせて宇宙について語り出した。

 平松氏 僕は来年「日本人で第1号の民間宇宙旅行客」になる予定です。すでに米国で訓練も始まっていて、昨年10月には体重の6倍の重力負荷訓練をこなし、今月下旬にはケネディ宇宙センターで宇宙遊泳訓練を受けてきます。

 平松氏が参加するのは、09年1~3月に英宇宙旅行事業会社「ヴァージン・ギャラクティック」社が実施予定の、世界初の民間宇宙船による宇宙旅行。米国内を飛び立ち、地上約160キロ付近の大気圏外を飛行後、再び米国に着陸。計約3時間の航程となる。

 平松氏 青空を下に、黒い宇宙を上に見て、星があって、宇宙遊泳を体験して…。いったい地球がどういうふうに見えるのか。

 平松氏は05年、同社に旅行代金20万ドル(約2200万円)を払って参加契約を完了させた。今回は世界各国から89人が参加予定で日本人は平松氏ら3人。同氏によると、複数回飛ぶ宇宙船には、最も早く申し込んだ平松氏が日本人で最初に乗れる見込みという。

 ライブドア関係者の「宇宙」への意欲は強い。堀江被告も宇宙事業進出を目指している。同社元取締役の投資家榎本大輔氏(36)も06年秋、ロシアの宇宙船に搭乗予定だったが、医学的理由で実現しなかった。堀江氏の後任社長だった平松氏が、一足先に「宇宙」を体験するという“想定外”の展開になりそうだ。

 平松氏 堀江氏は自分で乗るよりも、宇宙旅行を「ビジネス」としてやりたかったように思う。僕はもともとレースに出るほどの「乗り物好き」で、新しい乗り物(宇宙船)が出たからとにかく乗ってみたかった。オートバイ、車、機関車、飛行機、消防車…乗り物が大好き。宇宙はそれの延長線上にある。ちなみに(大型バイクの)ハーレーも好きで、今月米国で訓練を受けた後は、アリゾナの砂漠をハーレーで走る。来年、打ち上げの基地までもハーレーで行きます。とにかく「スキ」あらばハーレーを飛ばす(笑い)。

 平松氏は06年1月、「ライブドア事件」で堀江被告が逮捕された後、同被告の“指名”を受け後任社長になった。ソニー出身という経歴や、豊富な社長経験を買われた。再建にも道筋をつけ昨年12月21日、社長を任期満了で退任した。

 平松氏 ものすごい中身の濃い2年間だった。新しいことをすごく勉強したし、みな、20~30歳年下の社員から教えてもらったんです。60歳になって僕、一番成長しましたね。

 そんな平松氏が次に本腰を入れるのが自身の名前「KOZO」にも通じる「小僧com」という、変わった名前のネット企業。行動的で知的好奇心が旺盛なシニア世代らが集まる同名のコミュニティーサイト(SNS)運営などが柱。06年2月に設立したが、ライブドア社長職で手が回らなかった。来月から代表取締役会長に就き、本格始動する。

 平松氏 「老後」という言葉に非常に違和感がある。野球でもサッカーでも“後半戦”のほうが絶対面白いんです。人生の後半戦を健康で、楽しく、賢く、豊かで、社会の役に立つような人生を送りたいという考えの人たちをネット上で集め、SNSで楽しんだり、勉強しようとずっと考えていた。そうした時、ネットで、瀬戸内海の平均年齢75歳の元気な島に伝わる「30、40はよちよち歩き、50、60はハナタレ小僧」という言葉を知った。その瞬間「僕の考え方と同じ。これだ!」と思い「小僧com」と名付けたんです。

 今後は、日本最大の「団塊の世代コミュニティーサイト」を目標に、数年以内に会員数10万人を目指す。次々挑戦を始めた平松氏に、堀江被告についてあらためて聞いてみた。

 平松氏 会社が大きくなったということに気付かなかったのでしょう。頭の中は、まだ10人とか20人だけで突っ走っていた時のままだったのではないか。そこにどこかギャップができたのでしょう。ただ彼は非常に独創的で、日本人には非常に珍しいアントレプレナー(起業家)であり、チャレンジャーでした。また再チャレンジしてほしい。

 最後に「座右の銘」を聞くと、最近自分で考えたという言葉を披露した。

 平松氏 「世界新記録より自己新記録」。いいでしょ(笑い)。結局宇宙を目指すのも、僕は「子供」の気持ちが抜けきれていないんでしょう。それこそ本当に「ハナタレ小僧」なんですけどね。【広部玄】

[2008年1月14日13時21分 紙面から]

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