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三浦容疑者、米国と知らずサイパンで逮捕
米ロサンゼルスで81年に起きた銃撃事件で、殺人容疑などにより逮捕された元会社社長、三浦和義容疑者(60)が、サイパン島を米自治領と認識せずに入国していたことが26日、分かった。ロス市警は25日(日本時間26日)の会見で、元社長がサイパンなど米自治領に頻繁に旅行していると知り、捜査を本格化させたと公表した。元社長がサイパン島=米自治領と認識し渡航を自粛していれば、今回のように逮捕されることはなかったとみられる。
日本では無罪が確定したとはいえ、米国や米自治領では逮捕される可能性がある-。三浦元社長は、銃撃・殴打事件の国内の裁判で主任弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士(62)から「サイパンには行かない方がいい」と助言を受けていたという。なのに、どうして妻が経営する会社の社員旅行に同行し、サイパン島入りしていたのか?
「米国に行かないようにしていたが、サイパンが米国の捜査当局の支配下にあるとは知らなかった。サイパンは米国とは思っていなかった」。26日朝、元社長から2回電話を受けた弘中弁護士によると、元社長はそのような趣旨の話をした。「(01年1月の出所後)米国本土に行っていない。ロスに行くのは考えたこともないし、ハワイにも、グアムにも行ってない」と話したといい、なぜか、サイパン=米自治領の認識が抜け落ちていた。
ロサンゼルス市警の捜査官は会見で、捜査を本格化した理由を聞かれ即答した。「彼の渡航を知ったからだ。かなり頻繁に米国に渡航していることが分かった。自治領サイパンに入国することが分かり、彼を捕まえることができる可能性が高くなった」。出所後、「4~5回」を数えたサイパン訪問が、ロス市警を“刺激”した可能性がある。
米検察当局は昨年10月、元社長が同年11月ごろにサイパン島を訪問する可能性があると察知。ロス市警はサイパン当局に元社長が渡航した場合は逮捕に協力するよう要請し、88年5月発効の逮捕状のコピーを送付したという。元社長はロス市警の仕掛けた「網」に引っ掛かった形だが、サイパン島に渡航しなければ逮捕されることはなかったとみられる。
元社長は26日、収容施設で外務省サイパン出張駐在官事務所の領事らと面会。Tシャツやショートパンツなどの衣類、せっけん、たばこやサイパン観光の情報誌2冊など妻からの差し入れを「ありがとうございます」と、受け取った。
終始落ち着いた様子で、25日の審理に報道陣が詰め掛けたことについて「自分が来たことで(住民らに)迷惑を掛けて申し訳ない」と話したという。元社長は施設の係官の対応を「こちらの言うことを理解しようとしてくれるし、他の人(収容者)と平等に扱ってくれる」と評価したが、施設の冷房が強すぎるとして「どうしてサイパンで寒い思いをしなくてはいけないのか」と冗談交じりに話していたという。
27日午前から、現地の地裁で弁護士を公選、私選のどちらにするか審理があり、元社長は出廷する予定。ロス市警とサイパンの当局は元社長の移送に向け、準備を進めている。
[2008年2月27日10時30分 紙面から]
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