「戦場ぅ、カメラマンのぉ、渡部ぇ、陽一ですぅ」
- 身振り手振りを交えながら、おなじみの口調で熱く語る渡部氏。右は横浜美術館の松永真太郎学芸員
戦場カメラマンの渡部陽一氏(40)のトークショーが1月31日、横浜市のパシフィコ横浜アネックスホールで行われた。テレビのバラエティ番組ですっかりおなじみとなった渡部氏が、自身の紛争地での体験や報道写真家のロバート・キャパについて独特の語り口で話した。
「戦場ぅ、カメラマンのぉ、渡部ぇ、陽一ですぅ」。独特の語り口で渡部氏が自己紹介すると一気に会場が盛り上がった。同氏は20歳の時にコンゴ、ルワンダといったアフリカ中部の紛争地を訪れ、そこでけなげに生活する子供たちを見た時に、写真でその姿を伝えたいという思いから報道カメラマンを志した。20代の頃はこの日トークショーが行われた横浜の港でバナナを船から下ろす日雇いのアルバイトをして資金を稼ぎさまざまな紛争地を訪れた。
ロバート・キャパは「神」
- 後半は自身の撮影した写真のスライドショーを見せながらのトークとなった。
そんな渡部にとって20世紀を代表する報道カメラマンのロバート・キャパは「神と言える存在」だという。トークショーの前には横浜美術館で開催されている「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー二人の写真家」の写真展を観覧。「同じ写真家として人間的魅力や取材方法を感じることができた」と感慨深げに話した。
トークショーの後半では自身が撮影した写真のスライドショーとともに、現地の様子を身振り手振りを交えて話し、さらに映画を利用して英語を習得したエピソードも披露。観客は“渡部ワールド”に引き込まれていた。