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沖縄で生まれ育ち、沖縄を撮り続けた石川氏の写真展

展示作品の前に立つ写真家・石川真生氏
展示作品の前に立つ写真家・石川真生氏

 「私は沖縄出身で、沖縄の人を撮り続けてきた。この『メードイン沖縄』の写真を見に来てほしい」。

 「写真家 石川真生―沖縄を撮る」は、昨年の沖縄の本土復帰40年にちなんで、70年代から沖縄を撮り続ける写真家・石川真生が撮り続けた写真を紹介する展示会だ。

 70年代に米軍の姿を撮りたくて、黒人専用バーに自身がホステスとして勤務した2年余りに撮影され、発表後、諸事情により事実上のお蔵入りとなった作品「熱き日々inオキナワ」。90年代に消えゆく沖縄の方言のみで上演される役者を撮影した「沖縄芝居」。そして現在のテーマに据える、沖縄に暮らす女性の語る夢や幻想を表現した「森花―夢の世界」の3部構成。

70年代、90年代、現在の3部構成で今月24日まで展示

この写真展は、浜市民ギャラリーあざみ野展示室1で開催中
この写真展は、浜市民ギャラリーあざみ野展示室1で開催中

 「私は生まれ育つ中で、沖縄は日本なのか、そして私たちは日本人なのか考えてきた。沖縄芝居も、今はもう昔からの言葉を理解し、しゃべれる人はどんどん減っている。言葉は使うものだし、その意味でプロの役者が演じる沖縄芝居はもう継続はできないでしょう。だから残したいと思った」。作品にあるのは、沖縄自身が持つ独特の歴史、戦後の占領から返還、そして現在に至る「自分たちは何者か」を問う視線だ。

 「島だから密接な人間関係もある。それが嫌で都会に出る人もいると思う」。それでも沖縄から発信する姿勢には揺るぎがない。「70年代に出会った女性を撮影した写真ではその後さまざまな問題が生まれた。今回、偶然紛失したと思った当時の写真も見つかって、展示しようと決めた。でも展示することで迷惑を被ったと来る人がいるかもしれない。だから、私は今回の展示には最後までずっと会場にいると決めた」。石川さんの作品、そして彼女自身に出会うには、ぜひ会場に足を運んでほしい。期間は2月24日まで。場所は横浜市民ギャラリーあざみ野展示室1。入場は無料。

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