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エドワード・スタイケン写真展を世田谷美術館で開催中

《グレタ・ガルボ》1929年|ゼラチン・シルバー・プリント| c1929 Conde Nast Publications
《グレタ・ガルボ》1929年|ゼラチン・シルバー・プリント| c1929 Conde Nast Publications

 米写真界の巨星・エドワード・スタイケン(1879~1973年)の展覧会「エドワード・スタイケン写真展 モダン・エイジの光と影1923-1937」が、世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)で開催されている。約70年にわたって写真の可能性を追求し続けた歩みの中から、商業写真界で活躍した1920年~30年代の作品約200点を紹介。フォト・ヨコハマ2013の市外開催イベントの1つで、期間は4月7日まで。

 青年期にパリを拠点に芸術的な写真を極めたスタイケンは1923年、44歳でニューヨークに渡り、商業写真の世界に飛び込んだ。大手出版社のコンデ・ナスト社の主任写真家として、ファッション雑誌「ヴォーグ」や男性向け総合誌「ヴァニティ・フェア」で活躍。壮年期は、好景気に沸いた1920年代と不況にあえぐ30年代の米国を舞台に、一貫して美しく強い人々と華やかな夢の生活を撮り続けた。会場には、女優グロリア・スワンソンやグレタ・ガルボ、英首相を務めたウィンストン・チャーチルなど、時代を象徴する著名人のポートレートを鑑賞できる。

モダンでありながら、古典的な絵画のような写真

当時の「ヴォーグ」や「ヴァニティ・フェア」も展示されている
当時の「ヴォーグ」や「ヴァニティ・フェア」も展示されている

 「ルーヴルで見るから芸術なんだよ。『ヴォーグ』をルーヴルにしよう」。会場にはスタイケンの印象的な言葉も紹介されている。「ヴォーグ」の美容特集にヌード写真を使うのをためらった編集長を、こう言って説得したという。同展では、芸術と商業の境界線を巧みに横断する様子も検証されている。

 世田谷美術館の塚田美紀主任学芸員は「日本での個展は86年以来です。若いころにロダンら芸術家と交流があったスタイケンの写真は、モダンでありながら、古典的な絵画のような複雑な奥行きがあります。また、モノクロなのに、質感や色がイメージできる写真には驚くほかありません。(撮影当時にプリントした)ヴィンテージプリントが中心です。ぜひ本物をご覧ください」と話した。
詳しくはhttp://www.setagayaartmuseum.or.jp/

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