ドラッグストアにずらりと並んだスタイリング剤。いろいろ目移りするけれど、使い方も詳しく分からないので、結局いつもの商品を選んでいませんか?
多くのアーティストのヘアメークを手掛けるKUBOKI氏が、最近選んだスタイリング剤と使い方を教えてもらいました。聞き手は美容エディターの大塚真里さんです。
大塚
夏も本番!
毎日本当に暑いですねぇ…あれ!?
KUBOKIさん、ヘアスタイル変えました?
KUBOKI(以下、K)
ええ、少しだけスタイリングを。よく気づきましたね!
大塚
短くしたわけではなさそうですが、何となくすっきりした感じ。
K
実は、スタイリング剤を替えたんです。以前はヘアワックスだけでウエット感を出していたのですが、最近はヘアムースを使っています。
大塚
ムース!
なんだか懐かしい響き。ふた昔前、パーマのウエーブを出すといえばムースが定番でした。パリッと固くなってしまうのが難点だったけれど(笑い)。その後、ワックスという新たなスタイリング剤が登場して、男女ともにシフトしていきましたよね。
K
そうですね。ワックスは固まらずにボリュームと動きを出せ、誰にでも使いやすく、質感もいろいろに表現できるのがいいところ。ただひとつ、残念な点があるんです。
大塚
残念な点とは?
K
ワックスの成分は油分がベースになっていて、そこにファイバーやクレイなどのスタイリング成分が配合されています。ベースは油分なので、多くのものは時間がたつとつぶれやすいんです。また、この時季は暑さで油分がだれやすく、ベタつきやテカりも気になります。仕上げに毛先だけなど、部分使いする分にはいいのですが、髪全体につけるのは危険かも。
大塚
確かに、髪がテカってぺったりとしていると、より暑苦しい…。清潔感もないですね。
K
テカりが出ないよう工夫されたドライワックスやマットワックスもありますが、固いのでつけるのが難しく、毛穴に詰まりやすいのも心配。そこでおすすめなのがムースなんです。多くのムースにはほとんど油分が配合されていないので、ふわっとしたボリューム感をキープしてくれます。ベタつきがなく、見た目にも“素髪っぽい”爽やかな印象です。
大塚
固まりませんか?
第11回<2>につづく。
[2014年9月1日15時18分]【スタイリング剤を根元につけるな】スタイリング剤はどんなものでも、髪の根元を避けるようにして、中間~毛先(もしくは毛先のみ)につける。根元からつけると時間がたつにつれて立ち上がりが弱くなり、スタイルがつぶれがちに。また頭皮の毛穴を詰まらせる危険もある。