EXILEのフィジカルトレーナー、吉田輝幸氏が正しい体の使い方を伝授する「EXILEエクササイズ」。第41回のテーマは「腰痛改善プログラム」です。重要なポイントは正しい姿勢。腹筋と背筋を正しく使えていないことが、腰痛の大きな要因になっています。特に背筋ばかり使って腰に負担をかける「背筋優位」の人が目立ちます。ここで紹介するトレーニングでしっかり矯正していきましょう。

 ◆ニー・ハグ

 太もも後面の付け根にあたる大殿筋を伸ばすストレッチ。ここが柔軟になれば、跳躍動作が滑らかになる効果もあります

 吉田氏

 最初は立位で少し前傾になり、両手を組んで片膝を抱えます。この時、重心も下方にある程度移動させます(写真7)。抱えた膝を引き寄せながら、軸足のバネを使ってかかとが浮き上がるまで真上に全身で伸び上がります。おなかとお尻に力を入れてギュッと持ち上げる感じです。この時、背筋はピンと伸びた状態(写真8)。真上に伸び上がる勢いを利用しながら膝をしっかりと引き寄せます。瞬間的に伸ばした時、ストレッチ効果はより大きくなりますから。体が後ろに反るのが悪い例です(写真9)。腹筋を使わずに背筋で代償しているから。この方が体に楽なんですね。しかし、大殿筋が十分にストレッチされません。真上に伸びることが難しいという人は、あおむけに寝た状態でやってもOKです。抱えた膝をしっかりと引き寄せましょう。

 反り腰の人は常に背筋が縮まっていて緊張状態になっています。立っている時も、腹筋でなく背筋で体を支えている状態。つまり、背筋の休まる時がない、オーバーワークです。腰痛の人にはこの傾向が多くあります。ただ腹筋運動をして筋力強化をしても腰痛改善にはなりません。筋力を強化する前に、まずは姿勢の矯正と体の正しい動かし方を身につけることが必要です。

 第41回おわり。【取材・構成=松本久】

 [2014年7月18日10時42分](8)抱えた膝を引き寄せながら、かかとが浮き上がるまで伸び上がります(9)体が後ろに反ってはいけません