今回は食事についてです。食べ過ぎは肥満の原因にもなります。肥満は高血圧や糖尿病といった生活習慣病の入り口になると考えられています。そして生活習慣病は老化という1つの生理的な現象が早まった状態であると言われています。

 この肥満を防ぐには食事を制限すればいいのですが、簡単に食事の量を減らすこともできませんよね。適度な運動も肥満解消にはいいのですが、これも毎日コツコツと継続することは難しい。でも肥満解消により生活習慣病にかかるリスクを低くしたい。

 そこで手軽にできる肥満防止の生活習慣として注目されているのが、よくかんでゆっくり食べることです。脳には、血糖値上昇などを受けて食べるのをやめるよう指令を出す「満腹中枢」があります。満腹中枢が反応するには十数分から30分かかると言われています。

 ところがよくかまずに早食いすると、満腹中枢が反応してブレーキがかかる前に、どんどん食べてしまう。つまり満腹中枢が「おなかいっぱい」とブレーキをかける前に食事が終わってしまう。ついつい大食いになってしまうわけです。よくかんでゆっくり食べれば、満腹中枢が適度なところで反応し、食べ過ぎを防いでくれます。みなさん、食事のときは「ゆっくり、ゆっくり」を気をつけてください。【日比野佐和子】