この動画はドローンの失敗フライトを再現したものです。まさか失敗するとは思っていなかったので、映像は記録していませんでした。ちなみに、撮影に協力してくれたのは、日刊スポーツ写真部のアルバイト3名です。


 それは8月4日、東京・築地の日刊スポーツの社内で「ファントム3(DJI社)」を飛行させたときに起こりました。現在ドローンを屋外で飛ばすには、国土交通省の許可が必要ですが、屋内では必要ありません。よって、試しに社内で飛行に成功したら、リオ五輪で盛り上がる編集局でも撮影し、皆さんに紹介できたらと思ったのです。

日刊スポーツの社内でドローンを上げました。写真は全て再現です
日刊スポーツの社内でドローンを上げました。写真は全て再現です

 安全のため、社員がほとんど帰宅した深夜1時すぎにファントムに電源を入れ、プロペラを回しました。いつもは横浜にあるセキド運営の「ドローンフィールド」で飛行練習しているので、屋内という違った環境に緊張感が走りましたが、右スティックをゆっくり上に傾けると、機体は無事上昇しました。顔の高さくらいまで上げ止めたのですが、ホバリングするはずの機体が、何と勝手に左前方に平行移動し始めたのです。

流された機体を上昇させ、パソコンのモニターを回避しました
流された機体を上昇させ、パソコンのモニターを回避しました

 慌てました。まず、机の上のパソコンにぶつかりそうになり、とっさに右スティックを上に倒すと、機体は素早く反応し20センチぐらい上昇。モニターをギリギリ回避しました。今度は社内に立ててあった1メートル50センチ程度のパーテーションにぶつかりそうになりました。再度、右スティックを上に倒すと、これもまた何とか回避しました。

今度はパーテーションをギリギリで回避しました
今度はパーテーションをギリギリで回避しました

 機体が通過すると、机の上の書類(特に軽いFAX用紙)がプロペラの風力でバサバサと飛散し始めました。そのまま速足で追い掛けると、約20メートル先のカベに軽くぶつかりました。幸いプロペラガードを付けていたのでカベで軽くバウンドし、落下せずそのまま浮いていたので、機体の足を素手でキャッチしました。強制的に動きを変えたためか、プロペラが不規則に強く回り始めましたが、コントローラーを見届けていた小堀部長に手渡し、通常の動作でプロペラを止めてもらいました。

最後はカベにぶつかり、機体を素手でキャッチしました
最後はカベにぶつかり、機体を素手でキャッチしました

 事は全て終わったのですが、放心状態でした。とりあえず、人に危害を加えることなく済んだことにほっとし、機体が壊れなくて本当によかったとつくづく思いました。どうしてこのような動きをしたのか分かりませんが、これまでドローンに関して特別な失敗もなかったので、そのショックは大きいものでした。


 この失敗の原因は何だったのでしょうか? 数日後「ドローンフィールド」のスタッフに聞いてきたので、次回のコラムで紹介したいと思います。お楽しみに。【写真部・鹿野芳博】


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