- マルゲリータは3ユーロ、プロシュート&フンギやクアトロ・フォルマッジなどクラシカルなメニューは3.5ユーロ、モッツァレッラ・ブッファラなど新鮮素材を使ったものは4ユーロ。注目はコーノ・ドルチェもあって、人気はイタリアの朝ご飯には欠くことができないといわれる「Nutella」というチョコレートクリーム!
注目のKONO=CONO=コーン
ミラノ北駅、正式名称をカドルナ駅といいますが、ここの広場に「KONO PIZZA」という看板が掲げられている。
「このピザ」??
もちろん、これは表記のギミックで、イタリア語はアルファベットのKやJは使わないから、あえて注目を集めたい時には用いる方法。
KONOはCONOであり、これはコーンアイスのコーン(イタリア語でコーノ)のこと。つまり、円錐形のピザの意味だ。
- 約20種類のトッピング。これもちゃんと厨房内で刻んでいたのにはびっくり
10年ほど前にトリエンナーレで発表
「イタリア人は食に関しては保守的だ」とは幾度となくこのコラムでも書いてきた。ゆえに、この「円錐形のピザ」も、おそらくオランダとかベルギーとか(イメージだけで書いていますが…苦笑)、あのあたりで生まれたものだろうと思っていたら、なんとその萌芽は10年ほど前に「ミラノ・トリエンナーレ」(産業とアートの展覧会)で発表されたフードデザインであった。
プロジェクトの名前は「Pizza da Passeggio」(歩きピザ、ウオーキングピザ)、言うなれば「ピザ・ウォークマン」。イタリアにはお祭り用の菓子を除けば、日本のタコ焼きの様なファストフードと呼ばれるようなものはほとんどない。
そこで開発されたのが「KONO PIZZA」。というわけだ。
- トッピングを詰めたコーンはこのオーブンの中を3分間かけて回り焼き上げられる
100%自然素材がウリ
歩きながら食べるスタイルはなにも「コーン型ピザ」という形態にばかりポイントがあるわけではなく、そこは「手軽でも手をかけた食べ物」を大切にするイタリア人らしく、コーン以外はその場で調理をする。
コーンも小麦粉と水と塩という伝統的なピザのレシピと一緒で、100%ナチュラルな素材というのがウリだ。
コーンは一体成型でかなりしっかりした握り感にもかかわらず、食感はとても軽く、カシュッという歯ごたえはクセになる。
- KONO PIZZA Piazzale Cadorna 8/2 Milano
国内15海外22店舗と拡大
これにピザの具であるモッツァレッラチーズやバジリコ、オリーブ、プロシュートハム、野菜など、みじん切りにした約20種のトッピングを入れ、専用のオーブンで焼き上げる。
その間、3分。まるで日本のカップラーメンのような感覚で、しかし、自然素材にこだわったウォークマン・ピザができあがる。
「KONO PIZZA」は現在、イタリア国内に15店舗、海外にもアメリカ、カナダ、ドイツ、ギリシャ、インド、UAEなどに22店舗。イタリア発のファーストフードとして注目されている。(イタリア・ミラノ在住・新津隆夫。写真も)