パンプキンビールです。オレンジ色はしていませんが…甘さがほとんどないブラックビルもありますよ
パンプキンビールです。オレンジ色はしていませんが…甘さがほとんどないブラックビルもありますよ

欠かせぬカボチャ

 近年は日本でもハロウィーンが大きな盛り上がりを見せるようになっていますが、カボチャをくり抜いて作るお化けカボチャ「ジャック・オー・ランタン」やパンプキンパイなど、ハロウィーンにはカボチャが欠かせません。そんなハロウィーンにぴったりな飲み物と言えば「パンプキンビール」です。その名の通りカボチャを使って造られるビールで、多くのビールメーカーがこの時期限定で製造販売しており、ホームパーティーへのお土産にも人気です。

ハロウィーンらしいラベルもあって気分も盛り上がります。パンプキンエールは初心者にも飲みやすいテイストです
ハロウィーンらしいラベルもあって気分も盛り上がります。パンプキンエールは初心者にも飲みやすいテイストです

個性豊かな味わい

 ビールにカボチャってどんな味になるの? と初めての方には想像し難いでしょうが、パンプキンパイ同様にシナモンやナツメグなどのスパイスも使用しているので、甘さとスパイスが混ざり合った複雑な香りが特徴です。醸造過程でカボチャを入れているので、やはりどこかパンプキンパイのような甘味を感じますが、見た目は普通のビールそのものです。メーカーによって使用する原材料が微妙に違うので、甘すぎずさっぱりしたテイストのものから、コクがある風味豊かなもの、スパイスのパンチが効いたものと様々なテイストがあり、それぞれが個性豊かな味わいです。

スーパーにはこの時期、パンプキンビールが山積みにされています
スーパーにはこの時期、パンプキンビールが山積みにされています

90年代から製造

 90年代からパンプキンエール(エール:ビールの一種)が製造されていたと言われていますが、昨今のクラフトビールの人気もあり今では様々なブリュワリーのパンプキンビールが店頭に並んでいるので、いろいろ飲み比べをしてお気に入りを見つけるのも楽しみのひとつでしょう。

コーヒーテイストのほろ苦いパンプキンビールは甘いのが苦手な人にオススメ
コーヒーテイストのほろ苦いパンプキンビールは甘いのが苦手な人にオススメ

シアトルではコーヒー味も

 大手メーカーでは、ボストンのビールブランド「サミュエル・アダムス」や全米ナンバーワンのクラフトビールとも言われる「ブルームーン」のハーベスト・パンプキンエールなどが、一般的に広く知られているパンプキンビールです。それ以外にもピッツバーグのクラフトビール「Southern Tier」やユタ州の「UINTA」のパンプキンエールなども人気が高いですが、面白いところではシアトルのビュルワリー「Elysian」が造るコーヒー・パンプキンエールなどもあります。

アメリカのカボチャは種類も豊富で色も形も様々。パンプキンビールの原料となるパンプキンは右側の大きなオレンジ色のものです
アメリカのカボチャは種類も豊富で色も形も様々。パンプキンビールの原料となるパンプキンは右側の大きなオレンジ色のものです

オレンジ色の大きなカボチャのこと

 ちなみに、アメリカのカボチャは日本のとはまったく違い、色も形も様々で種類も豊富です。そんなカボチャを総称して「スクワッシュ」と呼びます。一般的に日本のカボチャと比べると、水っぽくて甘味が少ないのが特徴です。「パンプキン」とはジャック・オー・ランタンに使うことで知られるあの鮮やかなオレンジ色の大きなカボチャのことを指します。ちなみに、お化けカボチャを作るために中身をくり抜いた後はペースト状にしてスパイスを加えてパンプキンパイにしたり、スープにしたりして使うのが一般的で、パンプキンビールにもこのオレンジ色のパンプキンのペーストが使われているんです。

 最近は日本でもアメリカで人気のパンプキンビールが買えるそうなので、今年のハロウィーンパーティーはカボチャビールで盛り上がってみてはどうですか?!(米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)