ロビーに鎮座するのは1925年のロールスロイス ファントム
ロビーに鎮座するのは1925年のロールスロイス ファントム
幻のクラシックカーと言われるマニア必見のジャガーXKSS
幻のクラシックカーと言われるマニア必見のジャガーXKSS

ピーターソン自動車博物館

 鉄道や地下鉄の路線よりも高速道路が発達している車社会ロサンゼルスに暮らす人々にとって、車は必需品。家族一人ひとりが車を1台ずつ所有する家庭も珍しくないほどで、LAの人々にとっては昔から車は大切な交通手段となってきました。

 そんなLAには、車の発展の歴史を伝えるユニークな自動車博物館があります。ハリウッドにほど近いミッド・ウィルシャーにある2015年末にリニューアルオープンしたピーターソン自動車博物館は、ほかでは見られない息をのむような美しいクラシックカーやカスタムカー、そして最新のスーパーカーまで多種多様な車が展示されています。初期の車から映画やテレビの撮影で使用した車、レースカーやバイク、カスタムカーまで多岐にわたる展示は、車好きなら興奮すること間違いなしです。博物館というより、自動車のテーマパークのような雰囲気で、展示のみならず車の歴史や製造過程なども学べるので老若男女問わずに楽しめるのも特徴です。

ということで、今回のコラムは、珍しい車の写真とともにお楽しみください。

まるで未来カー。運転してみたい
まるで未来カー。運転してみたい
バッテリーで動く1915年の電気自動車
バッテリーで動く1915年の電気自動車

クルマの歴史も学べます

 ロビーに入るとまず目に飛び込んでくるのは、1925年のロールスロイス・ファントム。3階建ての館内にはテーマごとにたくさんの車が並んでいますが、中でもおすすめなのが、古き良きアメリカを体感できるクラシックカーの数々。幻のクラシックカーと言われるスティーブ・マックイーンもお気に入りだった1956年のジャガーXKSSやベンツが1886年に販売した初のガソリンエンジンの三輪車なども展示されています。また、今では当たり前のエコカーですが、実はガソリンと電気を使ったハイブリッドカーの歴史は古く、1900年代初期に開発されたハイブリッドカーや水素自動車なども展示されており、車の歴史についても学ぶことができます。

多種多様な車がたくさん展示されています。どれもきれいで保存状態がいいですね
多種多様な車がたくさん展示されています。どれもきれいで保存状態がいいですね
最初の自動車はこんな形だったんです。馬車のようですね
最初の自動車はこんな形だったんです。馬車のようですね

映画やテレビに登場の1台

 もうひとつ見逃せない展示が、映画やテレビで活躍した車を展示した「ハリウッド・ギャラリー」。「私立探偵マグナム」に登場した真っ赤なフェラーリや、「バットマン」や「バットマン・リターンズ」に登場しバットモービル、「007ゴールドフィンガー」で使用されたジェームズ・ボンドのアストンマーティンDB5や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンなどを間近で見ることができます。ほかにもF1の歴史やレースについて学べるコーナーでは、マクラーレンF1なども展示されており、こちらも必見です。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみのデロリアンも見られますよ
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみのデロリアンも見られますよ
バットモービルも間近で見られちゃいます。カッコいい~
バットモービルも間近で見られちゃいます。カッコいい~

保存状態もすごくいい

 まるで車のショーを見ているようなゆったりとした展示と保存状態の良いクラシックカーの数々は、見ているだけで溜息が出てきます。車好きもそうでない人も1度は訪れる価値ありの博物館です。ハリウッドやショッピングセンター「グローブ」からも近いので、LA観光の際には足を運んでみると良いですよ!(米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)