映画「スター・ウォーズ(SW)」シリーズの生みの親ジョージ・ルーカス監督が、2014年に建設計画を発表していた博物館「ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート」が、ロサンゼルス(LA)のエクスポジションパーク内に建設されることが正式に決まり、このほど起工式が行われました。総額15億ドルとも言われる巨大プロジェクトは、その建設場所を巡ってサンフランシスコやシカゴなど建設予定地が二転三転した末に、ようやくここLAに建設されることが決まったのです。

LAのエクスポジションパーク内に建設されるジョージ・ルーカス博物館のデザインイメージ。宇宙船を彷彿とさせます 写真はルーカス・ミュージアウ・オブ・ナラティブ・アートの公式サイトより(C)f Lucas Museum of Narrative Art.
LAのエクスポジションパーク内に建設されるジョージ・ルーカス博物館のデザインイメージ。宇宙船を彷彿とさせます 写真はルーカス・ミュージアウ・オブ・ナラティブ・アートの公式サイトより(C)f Lucas Museum of Narrative Art.

 当初はルーカス・フィルムがあるサンフランシスコのプレシディオに建設を予定していましたが、最終的な建設地となったエクスポジションパークは、ルーカス監督が卒業した南カリフォルニア大学から目と鼻の先にあるゆかりのある場所。このエリアには、スペースシャトル「エンデバー」を常設するカリフォルニア・サイエンス・センターやロサンゼルス自然史博物館などもあり、とてもより立地であると言えます。博物館はSWシリーズのミレニアム・ファルコンをイメージしたような宇宙船を彷彿させる外観になると言われており、同じ敷地内に実際に宇宙に行ったスペースシャトルと想像上の宇宙船が同居することになり、ルーカス監督自身も「そのアイディアが気に入った」と語っていると言われています。

博物館のすぐ横にはロサンゼルス五輪の会場となったロサンゼルス・メモリアル・コロシアムもあり、数年後にはLAでもっともホットなエリアとなりそうです。写真はルーカス・ミュージアウ・オブ・ナラティブ・アートの公式サイトより(C)f Lucas Museum of Narrative Art.
博物館のすぐ横にはロサンゼルス五輪の会場となったロサンゼルス・メモリアル・コロシアムもあり、数年後にはLAでもっともホットなエリアとなりそうです。写真はルーカス・ミュージアウ・オブ・ナラティブ・アートの公式サイトより(C)f Lucas Museum of Narrative Art.

 博物館にはSW関連のポスターや衣装、グッズなどのコレクションも展示される予定ですが、SW博物館ではなく、あくまでのルーカス監督自身が収集したアート作品を展示するための「ナラティブ・アート(物語的なアート)」の博物館になるとのこと。報道では絵画など美術品、ポップアートから写真、イラスト、漫画など古代から現代までの多岐に渡るジャンルの芸術作品が展示されると伝えられています。中でも、米国人画家ノーマン・ロックウェルのコレクションでは世界最大級になるとのことで、LAを代表する美術館となりそうです。また、SWの世界観を表したような近未来的な外観を手掛けるのは、中国人建築家のマー・ヤンソン氏で、独創的な建物はLAのランドマークとしても注目を集めそうです。

ディズニーのファンイベントでステージに登場したジョージ・ルーカス監督
ディズニーのファンイベントでステージに登場したジョージ・ルーカス監督

 施設内には展示スペースだけでなく、レストランや劇場なども作られ、子供や若者たちへの教育や芸術に関するプログラムなども行われるとのこと。10億ドルとも言われる建設費を全て負担すると言われているルーカス監督は、「あらゆるアートがここに展示されます。他の人が誰もみたいと思わないが、誰もが好きだと思うようなアートを支持する博物館があることは重要だ」と語っており、次世代のフィルムメーカーやストーリーテラーたちにアイディアを与える場となることが期待されています。2021年末の完成を目指しており、SWファンのみならずLA市民もオープンを心待ちにしています。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」)