ホールフーズマーケットのサンクスギビングディナーのカタログは、ローストターキーから付け合わせ、デザートまで人数や予算に合わせて色々選んで注文できます
ホールフーズマーケットのサンクスギビングディナーのカタログは、ローストターキーから付け合わせ、デザートまで人数や予算に合わせて色々選んで注文できます

日本でも「サンクスギビング」や「ブラックフライデー」という言葉を耳にする機会があると思いますが、一体全体どんな日か知っていますか?サンクスギビングは日本語で「感謝祭」と訳されていますが、その名の通りに収穫を神に感謝し、食べ物に恵まれて健康で幸せに暮らせることを喜び合う日です。毎年11月の第4木曜日と決まっており、その日は祝日で家族や親戚が集まって七面鳥などのご馳走を食べながら一緒にお祝いするのが習わし。ちょうど日本のお正月のような感じです。その起源は1621年と古く、イギリスからアメリカに移住してきた清教徒たちが最初の収穫を記念し、神に感謝をして様々な知恵を授けてくれた先住民族のネイティブアメリカンを招待してご馳走を振る舞ったことがはじまりだったと言われています。現在は宗教色はほとんどなく、学校や公共機関は週末までの4日間が連休となるので、実家に里帰りする人たちで道路や空港は大混雑します。

家族が揃うサンクスギビングは、テーブルコーディネートにもこだわる家庭が多く、自宅は秋らしいデコレーションで飾りつけします
家族が揃うサンクスギビングは、テーブルコーディネートにもこだわる家庭が多く、自宅は秋らしいデコレーションで飾りつけします

サンクスギビング当日は多くのお店やレストランは閉まり、スーパーマーケットも夕方前に早仕舞いする所がほとんどなので、この日は自宅で「サンクスビギングディナー」と呼ばれる豪華な料理を作って食べます。メインディッシュはオーブンで七面鳥を丸焼きした「ローストターキー」で、数日前から仕込みを始める家庭がほとんど。サンクスギビングには全米で4600万羽もの七面鳥が食べられると言われ、これを食べながら家族団らんするのが定番で、七面鳥がなければサンクスギビングは始まらないと言っても過言ではありません。

スーパーに並ぶ七面鳥から好みの大きさを選び、一匹丸ごとを買って数日前から仕込みを始めます
スーパーに並ぶ七面鳥から好みの大きさを選び、一匹丸ごとを買って数日前から仕込みを始めます
ターキーは家庭によって代々受け継がれたレシピがありますが、最近は簡単に作れるキットやインスタントのスタッフィング、ソースなどもたくさん販売されています
ターキーは家庭によって代々受け継がれたレシピがありますが、最近は簡単に作れるキットやインスタントのスタッフィング、ソースなどもたくさん販売されています

スーパーには大小様々なサイズの七面鳥が並び、各家庭それぞれにレシピがあります。ターキーのお腹の中には、「スタッフィング」と呼ばれる香味野菜やドライフルーツ、スパイス、パンをちぎったものを詰め、それを切り分けたターキーと共に肉を焼いた時に出る肉汁をベースにした「グレービーソース」でいただきます。最近はスーパーでインスタントのスタッフィングやグレービーソースも販売されているので、それを利用する人も増えています。あとはマッシュポテトとインゲンやなどの野菜と共にクランベリーソースを添えれば出来上がりです。日本人にはちょっと理解できない感覚ですが、ゼリー状になった甘酸っぱいクランベリーソースは、肉と一緒に食べます。

クランベリーソースを手作りするための新鮮なクランベリーも並びますが、缶詰を代用する家庭も増えています
クランベリーソースを手作りするための新鮮なクランベリーも並びますが、缶詰を代用する家庭も増えています

そして料理と一緒に出されるパンは、小麦粉の代わりにコーンミールで作ったコーンブレッドが定番。ディナーの最後はパンプキンパイで締めくくることが多く、これも出来合いの物がスーパーなどでたくさん売られていますが、カボチャの缶詰などを使って手作りする家庭も多いです。シナモンやクローブのスパイスが程よいアクセントのパンプキンパイの他にもピーカンパイをデザートにする家庭もあります。最近では家庭で手作りせずにレストランに事前にロースとターキーをオーダーしたり、日本のお節料理のようにメインからサイドまで人数に合わせて選べるスーパーマーケットのデリのカタログオーダーを利用する人も増えています。

デザートにターキーの形をしたこんなにかわいいクッキーも売られています
デザートにターキーの形をしたこんなにかわいいクッキーも売られています

女性は朝からディナーの準備で大忙しですが、男性陣はフットボールの試合をテレビで観戦しながら過ごし、早めの時間帯からゆっくりとディナーを楽しむというのが定番の過ごし方。そして夜になると、翌金曜日の一大セール「ブラックフライデー」に繰り出します。近年は木曜日の深夜から開店する店も多く、家電など目玉商品を狙って開店前から多くの人が並ぶため、ショッピングモールは夕方から駐車場を探すのが大変なほど混雑します。お店は翌日の夜までノンストップでオープンしているので、朝まで徹夜で買い物を楽しむ人もたくさんいます。ちなみに近年は駐車場も店内も激混みでレジにも長蛇の列ができる中わざわざ買い物に出かけるのは面倒だと言う人は、翌月曜日のサイバーマンデーと呼ばれるオンラインショッピングのセールを利用して買い物を楽しんでいるようです。ロサンゼルスではこの4連休の最終日となる日曜日には、ハリウッドで恒例のクリスマスパレードが行われ、サンクスギビングが過ぎると街は一気にクリスマスモード全開となります。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)