ファッション系の卸問屋が集まるファッション・ディストリクト
ファッション系の卸問屋が集まるファッション・ディストリクト

ロサンゼルス(LA)のダウンタウンには世界中からバイヤーが買い付けに集まる卸問屋街があり、その中でも「ファッション・ディストリクト」と呼ばれるエリアには洋服や靴、バッグ、アクセサリー、布地などファッション系の卸問屋が集まっています。ファッション・ディストリクトと言う名前からおしゃれなエリアを想像するかもしれませんが、一歩足を踏み入れるとまるでメキシコの雑踏にいるような雰囲気に圧倒されます。ここには卸売りのお店以外にも一般の人も購入できる小売りのお店もたくさんあり、Tシャツや下着、靴下、子供服、アクセサリーなどとにかく格安で買えるので、ヒスパニック系の人たちを中心にいつも大勢の人で賑わっていて、「ここは本当にLA?」と思ってしまうほどごちゃごちゃしています。平日はプロのバイヤーしか入れない展示会場も週末は一般にも開放されていたり、毎月最後の金曜日にバイヤー向けのショールームで展示されていた商品を格安で販売するサンプルセールなども行われていているので、掘り出し物を探す楽しみもあります。

150以上の小売店が並ぶサンティ・アリーは週末は歩くのも困難なほど大勢の人で賑わいます
150以上の小売店が並ぶサンティ・アリーは週末は歩くのも困難なほど大勢の人で賑わいます

ファッション・ディストリクト中でも一番人気のある買い物エリアは、「サンティ・アリー」と呼ばれる一角。サンティ・アリーと言う小道の両側に約150店もの店が所狭しと並んでいるので、まるで巨大な商店街のような雰囲気。女性向け洋服を中心に様々な商品が並んでおり、Tシャツが5枚10ドル、ペット用の洋服も1枚数ドルで買えたり、ドレスやスーツ、ジーンズまでとにかく驚くほど安く買うことができます。

LAらしいカジュアルファッションも。ワンピースも10ドルちょっとで買えます
LAらしいカジュアルファッションも。ワンピースも10ドルちょっとで買えます

買い物につかれたら道端でソーセージを焼いてホットドッグを売っているスタンドなど屋台も色々あるので食べ歩きしながらウィンドーショッピングも楽しめます。ただし、偽ブランド物も売られていたりするので要注意です。実際に今年4月にこのエリアの路上で売られていた偽の化粧品ブランドの商品から細菌が検出されて一斉摘発される事件なども起こっており、あまりに安すぎるブランド品には手を出さない方が無難です。でも、日本ではなかなかお目にかからないデザインや流行りデザインの服に挑戦してみたりするには最高です。

パーティードレスやウェディングドレスの専門店などもあります
パーティードレスやウェディングドレスの専門店などもあります

奇抜なデザインの服もあったりしてウィンドーショッピングするだけでも楽しい場所です
奇抜なデザインの服もあったりしてウィンドーショッピングするだけでも楽しい場所です

ファッション・ディストリクトのすぐ隣には日本の生花市場にあたるフラワー・ディストリクトがあり、ここは映画「バレンタインデー」(10年)でアシュトン・カッチャー演じる花屋で働くキャラクターが花を仕入れに出かける場面にも登場しています。近代的なビルと古い雑居ビルが混雑するアンバランスな雰囲気があり、また違ったLAの一面が見られる場所でもあります。他にもジュエリー・ディストリクトと呼ばれる貴金属や宝飾品など扱う問屋が集まるエリアやおもちゃの問屋街などもあり、クリスマス前のこの時期の週末は道路が大渋滞するほどこの一帯は大混雑します。LAで激安ショッピングを楽しみたいと言う人は、ファッション・ディストリクトにも足を運んでみてはどうでしょう。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)