12月に入ると街中が色とりどりのイルミネーションや美しいクリスマスツリーで彩られ、クリスマスムード一色に染まってきます。ここロサンゼルス(LA)もショッピングモールにサンタクロースと写真撮影ができるサンタハウスがお目見えしたり、クリスマスプレゼントの買い物をする人やクリスマスパーティーを楽しむ人たちでどこも大賑わいです。日本のクリスマスはイブの方がメインだったり、恋人とロマンチックに過ごす人が多かったり、クリスマスケーキにフライドチキンを食べる風習があったりと、アメリカのクリスマスとはずいぶんと雰囲気が違います。クリスマスは本来、イエス・キリストの誕生を祝う祭りであるため、アメリカ人にとっては日本のクリスマスの祝い方がとても不思議に感じるようです。では実際にLAの人たちはどのようにクリスマスを過ごしているのでしょう。

美しくライトアップされたイルミネーションは、クリスマスの風物詩。イルミネーションを見学するのもこの時期ならではの楽しみです
美しくライトアップされたイルミネーションは、クリスマスの風物詩。イルミネーションを見学するのもこの時期ならではの楽しみです

●イルミネーション

11月第4週目の木曜日の祝日「サンクスギビング(感謝祭)」の連休あたりからクリスマスの飾りつけが始まります。12月に入ると、ショッピングモールなど観光地には美しいクリスマスツリーがお目見えし、点灯式も盛大に行われます。この頃から住宅街でも美しいイルミネーションや飾りを施した家が続々登場し、街中がきらびやかな雰囲気となります。豪華絢爛に飾りつけされた住宅が密集するエリアは、クリスマスイルミネーションを見学する人たちで賑わい、交通渋滞が起きることがあるほど毎年趣向を凝らしたデコレーションで有名なお家もたくさんあります。クリスマスが終わるとすぐにお正月の雰囲気になる日本とは違い、イルミネーションやクリスマスツリーは新年を迎える頃まで楽しむことができます。一般家庭でもクリスマスツリーを片付けるのは1月に入ってからです。

個人宅とは思えないほど豪華なイルミネーションで飾られた家。美しくデコレーションされた家々を見学するのもクリスマスの楽しみの一つ
個人宅とは思えないほど豪華なイルミネーションで飾られた家。美しくデコレーションされた家々を見学するのもクリスマスの楽しみの一つ

●クリスマスツリーは生のもみの木

感謝祭が終わる11月末頃から街中にもみの木を売る直売所がオープンし、スーパーマーケットなどでも大小様々なサイズのクリスマスツリーが並びます。屋根に大きなもみの木をくくりつけて走る車を見かけるのもこの時期ならでは。日本では小さなツリーを飾ることが多いと思いますが、こちらでは大人の背丈くらいある大きなものが売れ筋です。生のもみの木はその年しか使えないため、お正月を過ぎると枯れたツリーを各家庭で一斉にゴミ置き場に捨てますが、自治体によってルールは若干違うものの回収されたツリーは腐葉土にするなどリサイクルされます。

生のもみの木のツリーにデコレーションをして飾るのがアメリカ流
生のもみの木のツリーにデコレーションをして飾るのがアメリカ流

●家族で過ごす一大イベント

日本では24日のイブの夜に恋人と一緒に豪華なディナーを楽しんだり、フライドチキンやローストチキン、ホールのクリスマスケーキを用意してパーティーをしたりしますが、こちらでは25日があくまでもメイン。そして、クリスマスは恋人や友人とではなく、家族と過ごすのが一般的です。自宅に家族や親族が集まって盛大に祝うことが多く、食卓に並ぶのはハムのステーキやローストビーフ、七面鳥などで、日本のようにフライドチキンやローストチキンが出てくることはありません。また、こちらでは日本のように美しくデコレーションされたクリスマスケーキは売っておらず、パンプキンパイやピーカンパイ、クリスマス用のクッキーなどを食べます。クリスマスはお店やレストランは休業する所が多く、スーパーマーケットなどもお昼過ぎには早々に店じまいをするので、この日に観光で遊びに来た人は注意が必要です。

くるみ割り人形が飾られたミッション・イン・ホテルの入口。クリスマスらしい雰囲気がいっぱい
くるみ割り人形が飾られたミッション・イン・ホテルの入口。クリスマスらしい雰囲気がいっぱい

●誰もがクリスマスを祝っているわけではない

日本では宗教に関係なくイベントとしてクリスマスを楽しむ風習がありますが、こちらでは宗教上の理由からクリスマスを祝わない人たちもたくさんいます。日本では「メリー・クリスマス」と言う言葉が定着していますが、こちらでは宗教上の配慮からクリスマスカードなどにも「ハッピー・ホリデーズ」と言う言葉を使うことが多く見られます。特にユダヤ系の人たちが多いハリウッドでは12月にはクリスマスではなく、「ハヌカ」を祝うことで知られています。別名「光の祭り」と言われるハヌカは8日間続くお祭りで、メノラーと呼ばれる独特の形をした燭台に1日1本ずつロウソクを灯していく風習があります。

ショッピングモール「グローブ」にお目見え中のサンタハウスは、毎年サンタクロースと記念撮影する親子連れで大賑わいです
ショッピングモール「グローブ」にお目見え中のサンタハウスは、毎年サンタクロースと記念撮影する親子連れで大賑わいです

●クリスマスプレゼント

家族みんなの分のクリスマスプレゼントを用意して、ツリーの下にそれぞれがプレゼントを置きます。クリスマス前に友人などからもらったプレゼントも開封せずに一緒に並べておきます。そして、クリスマスの朝に家族みんなで一斉にプレゼントを開けます。一人に1個ずつプレゼントを贈る習慣があるので、家族が多い家ではたくさんのプレゼントをもらうことになります。また、日本のお歳暮のような感覚で、上司や学校の先生、友人などにもクリスマスプレゼントを渡す習慣がありますが、高価な物である必要はありません。また、クリスマスパーティーやディナーに招待された時は、プレゼントを持って行くことがマナーとされています。

12月に入るとショッピングモールでサンタクロースに会えるサンタの家が登場しますが、子供たちはここでサンタクロースにクリスマスプレゼントをリクエストすることができます。一緒に写真を撮りながら、サンタクロースはさりげなく子供たちに「プレゼントは何が欲しいの?」と聞いたりするので、とても夢があります。サンタクロースがやって来るのは日本と同じく24日の深夜で、サンタクロースのために子供たちは寝る前にクッキーとミルクを用意します。そして、クッキーをかじってミルクを飲んだサンタクロースはツリーの下にプレゼントを置いて帰るのです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)