オーガニック系インスタントヌードルも今年のトレンド
オーガニック系インスタントヌードルも今年のトレンド

アメリカでは近年、オーガニックフードやナチュラル系商品の人気はすさまじく、わざわざオーガニック系スーパーに出向かなくても普通のスーパーでもある程度のオーガニック商品が買えるようになってきました。特にここロサンゼルス(LA)ではヘルシーフードやオーガニック系コスメは根強い人気で、毎週末LA近郊のあちらこちらで地元農家が栽培するオーガニック野菜や果物を販売するファーマーズマーケットが開催されていますし、ナチュラルコスメも様々な種類が販売されていて気軽に入手することができます。

例えばここ数年は植物性たんぱく質から作られた代替肉が大ブレイクするなど毎年新たな商品が開発されており、西海岸からヘルシーフード界のトレンドが作られる傾向が高まっています。

代替植物性肉を使ったハンバーガー
代替植物性肉を使ったハンバーガー

そんなオーガニック・ナチュラル系商品の最新トレンドをいち早く知ることができるのが、毎年3月にロサンゼルス南部のアナハイムで行われるナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエストです。今年で39回目を迎えた同エキスポは毎年その規模が拡大しており、今年は日本を含む世界136ヶ国から過去最大の3600もの出店があり、5日間で8万6000人が訪れる一大イベントとなりました。

アナハイム・コンベンション・センターで開催された全米最大規模のナチュラル・プロダクツ・エキスポの会場
アナハイム・コンベンション・センターで開催された全米最大規模のナチュラル・プロダクツ・エキスポの会場

サンプルを求めて人気が高いブースは大勢の人で賑わっています
サンプルを求めて人気が高いブースは大勢の人で賑わっています

ナチュラル・プロダクトという名の通り、ここで展示されているのはオーガニック、自然派の商品ですが、食品だけでなくコスメやヘアケア商品など美容系やサプリ、洗剤、エコグッズなど多岐にわたり、旬のトレンド商品のみならず今世間が注目するライフスタイルや社会問題も垣間見ることができます。このエキスポは一般には公開されていないので、普通の人は入ることができませんが、今年はプレスとして現地取材してきました。

各ブースとも趣向を凝らして商品の宣伝をしています
各ブースとも趣向を凝らして商品の宣伝をしています

ヘンプオイルのブースには大勢の人だかりが
ヘンプオイルのブースには大勢の人だかりが

エキスポに入場できるのはナチュラル商品のバイヤーとして厳しい審査を受けた上で登録した人たちで、会場は商談の場にもなっています。世界中から目利きのバイヤーがたくさん訪れるため、多くの企業が出展を希望する人気のエキスポです。そのためコンベンションセンターとそれに隣接するホテルも会場となっており、会場はとにかく広いの一言。1日で全て回ることはできないほどです。会場はA~Eの5つのホールとアリーナ、そして3階にある初出展のブースを中心としたイノベーションのブースに分かれています。

会場内には所せましとブースが並び、とにかくすごい人です
会場内には所せましとブースが並び、とにかくすごい人です

食品系ブースではサンプル商品を試食・試飲することができ、コスメなど美容系商品もサンプルをもらえたり、テースターを使って試すことができます。日本からも味噌や豆腐、お茶など人気のヘルシーフードを販売する企業がたくさん参加していた他、ふりかけのゆかりで有名な三島やヤクルト、森永乳業のアロエヨーグルトなどもブースを出していました。

緑茶や抹茶の人気は高く、伊藤園の大きなブースにもたくさんの人が訪れていました
緑茶や抹茶の人気は高く、伊藤園の大きなブースにもたくさんの人が訪れていました

食品系ではやはり代替食物肉を使った製品や昨年頃から流行っているブロス(骨だしスープ)、プロバイオティックス(人に有益な作用をもたらす生きた微生物を含む食品)に関連した発酵食品、ケトダイエット(高脂肪・低炭水化物の食事法ケトジェニックダイエット)やパレオ(旧石器時代の狩猟採集型の食生活を再現し、加工食品や乳製品、小麦や米などの穀物などを摂取しない原始的ダイエット食)などが人気だったように感じましたが、食品以外で目立っていたのは気分を落ち着かせ、睡眠や免疫機能を助ける効果があるといわれる流行りのCBD(カンナビジオール=大麻の向精神作用を持たない成分)関連の商品。カリフォルニア州など一部の州で嗜好用の大麻が解禁されたことからCBDに対する理解も高まっており、CBDオイルを使ったスキンケア商品やサプリメントなど関連商品がたくさん紹介されていました。

今年のトレンドだったCBDオイルのブース
今年のトレンドだったCBDオイルのブース

日本ではまだ抵抗があると思いますが、アメリカではサプリやスキンケアだけでなく、オイルを飲み物に数滴たらして飲んだり、オイル入りドリンクも発売されている他、ペット向けCBD商品も多数開発されるなどとても勢いのある分野です。また、世界中で問題になっている海洋プラスチックごみによる海の汚染に関連したエコ商品も多数出展されていました。プラスチック製品に代わって自然に分解される天然素材を使ったバイオプラスチックのカトラリーやコップ、コンテナなどの他、使い捨てずに繰り返し使用できる水やコーヒーを持ち運ぶボトルや食品保存容器などもあり、環境問題への関心の高さがうかがえました。今年のエキスポのトレンドは、アスレピ(athleterecipe.com)で詳しくレポートしているのでぜひチェックしてみて下さい。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)