もうすぐ渓流に春がやって来る。山谷も深い眠りから目覚め、清い流れにアマゴが躍る。ファン待望の渓流釣りが、3月1日から順次、西日本の主要河川で解禁される。一部の河川ではすでに解禁されており、成魚放流のアマゴが順調に釣れている。水温が上昇するこれからは天然物が活性化。適度な降水があり水況が良好な河川が多く、解禁に向け期待が膨らむ。各地から届いた情報とオススメポイントを紹介しよう。

『近畿地区』

 【三重県】宮川上流は稚魚放流の多い支流大和谷、薗川が狙い目。滝谷地内・八知山谷は禁漁。大内山川上流域の各支流に稚魚放流と発眼卵5000~1万粒が放流されており、きれいなアマゴが狙える。中でも唐子川がオススメ。昨年11月に三ケ野川に産卵前の成魚200匹が放流されており成育に期待したい。

 【滋賀県】安曇川中流の朽木は支流針畑川、麻生川、北川に昨年11月にアマゴ、イワナの稚魚を放流。解禁前後に成魚が放流される。水況も良好でエリアも広いので終盤まで楽しめる。

 【京都府】美山川は上流域・芦生や各支流できれいなアマゴが釣れる。濃密放流区の棚野川では成魚の数釣りが楽しめる。上桂川は広河原、花背地区が成魚の濃密放流地区で初心者にも楽しめる。各支流は稚魚放流と発眼卵放流で準天然物が狙える。

 【奈良県】十津川は大雨災害の影響が少ない東側の渓が狙い目。大野川、滝川が稚魚放流も多くオススメ。天ノ川は成魚、稚魚ともにこまかく放流され例年安定した釣果が期待出来る。川迫ダム上流は幼魚、卵放流で美形アマゴが狙える。水況、成育良好。川原樋川は15~16センチの成魚を放流。放流量の多い本流がオススメで、数釣りに期待。

 【和歌山県】古座川は昨年5月に各支流に稚魚を放流。支流・小川の滝の拝から上流の宇筒谷が狙い目。日置川は上流の近露や大石の好ポイントが多い支流前ノ川が例年安定した釣果が期待出来る。日高川は昨年と比べると水量が多く水況は良好。昨夏に水量が多かったため成育に期待がもてる。川相も徐々に回復してきておりオススメは本流なら広井原から上流と各支流が良さそう。有田川は特別解禁前に成魚を本流の上流域と各支流に放流。数釣りが期待できそう。災害復旧工事が残り、川相が変わっている所もある。

 【兵庫県】千種川は今のところ昨年よりも雪が多い。昨年4、10月に稚魚を放流し成育も順調。水温が上がり始める4月ごろから数釣りが期待出来そう。揖保川は昨秋の天候がよく豊富にエサがあり、稚魚の成育も良好。成魚放流もされ魚影が濃い。初期は雪が残るかも知れないが引原川や三方川の支流が狙い目。本流は4月から本番で尺アマゴが釣れる。4月19日に漁協主催の釣り大会がある。

『東海・北陸地区』

 【愛知県】寒狭川上流はやや渇水気味。解禁日は事前に放流された成魚が主体で、23~25センチの大きいサイズが釣れていて今後も追加放流がある。天然物は水温が上昇してくる3月中旬に入ってから期待。名倉川は天然狙いなら上流の支流。本流は3月7日と4月4日、25日に成魚が放流され数釣りが楽しめる。真弓えん提から大井平えん提までが管理釣り場となる。

 【岐阜県】長良川の郡上は15日の解禁日に、成魚がメーンだが良い人で30匹以上と好調に釣れている。3月下旬まで、毎週土日を中心に成魚を放流予定で魚影は濃い。天然物は水温が上昇する3月下旬から活性化してくる。4月下旬から本流で幅広の大型が狙える。益田川の上流は雪が多い。水量は昨年よりも多く解禁に向けて期待できそう。4月末から本流でクロカワ虫をエサに大型が狙える。馬瀬川上流は初期は成魚狙いがオススメ。数河地区の本郷橋、西村地区の坂本橋周辺に解禁前日に成魚が放流され、3月初旬から4月下旬まで毎週日曜に同橋周辺に交互に成魚放流が行われる。今年は雪が多く上流域の天然ものは4月ごろから面白くなりそうだ。昨年の台風の影響で災害復旧工事があり、入川時には要注意。

 【福井県】九頭竜川はサクラマスが順調。60センチオーバーが数匹あがっている。3月、4月がますます面白くなりそうだ。南川・北川は昨年10月にヤマメ稚魚を各支流に放流。放流量が多い久田川が狙い目。一昨年の台風で川相が変わり工事も少し残る。

『四国・中国地区』

 【四国】海部川は放流量の多い轟の滝周辺が狙い目となる。今のところ水量も多く成育良好。勝浦川は放流量の多い上流域の杉地谷川などの各支流が狙い目。成育も順調だ。

 【中国】鳥取・日野川は上流域の各支流でヤマメ、イワナ、下流域でサクラマスが狙える。千代川は昨年のヤマメ、イワナの稚魚放流に加え、解禁直前にヤマメ成魚を放流。漁協のホームページに放流ポイントがアップされているので釣行前にチェックして数釣りを楽しんでほしい。また中・下流域でサクラマスが期待できる。

【日刊FPC・下田成人】