まだまだ、底冷えの日が続いちゃいるが「あったかいんだからぁ~」を実感できるワカサギ釣りを紹介する。長野・諏訪湖。約150人収容のドーム船が大きな味方だ。その姿は、湖上に浮かんだビニールハウス。どんな強風でも一切寒さを感じない。むしろ、暑くて半袖になってしまうぐらい。現場にはベテラン指導員もいるからビギナーでも安心。しかも、今、釣れてます!

 「ワカサギ釣り、って氷に穴を開けるアレでしょ?」。

 だいたい10人のうち7人ぐらいは、湖面が凍結してブルブル震えながらサオを出す氷上釣りを想像するようだ。

 今回紹介する諏訪湖のワカサギ釣りは違う。以前は気温があまりに低すぎて、氷結した湖水が突起する「御神(おみ)渡り」という自然現象も観測できたが、近年の諏訪湖では全面氷結もままならない。特に今年は、例年に比べると暖かいのかどこにも氷はない。

 現在は湖上に台船を組んで90人と60人の定員のドーム船を浮かべている。一見するとイチゴ狩りでもできそうなビニールハウスだ。中に入ると、眼鏡がくもる。暖かい。コートやセーターを次々に脱いでいって、半袖でもいいぐらいだ。

 床には穴が開いていて、そこに仕掛けを底まで落として、ワカサギの回遊を待つ。原理は氷上釣りと同じだが、寒さをまったく感じない環境だけは違う。居心地は満点だ。

 暖かいのはよくわかった。釣りはどうなのか?

 初心者にも優しい状態になっている。ドーム船まで渡すボートに乗るときだけの防寒と、軽い食事。釣ったワカサギをいれるクーラーボックスなどがあればいい。釣り道具はレンタルできるし、仕掛けやエサも購入できる。準備いらずだ。

 エサは紅サシを使う。太い方(尾になる)にハリを刺したら、ハサミでチョキン。大きいとワカサギは口を使ってくれない。紅サシの体を切断することで体液が水中に溶けてワカサギを寄せる効果もある。

 オモリのついた仕掛けは底まで落とす。水深は約5メートル。ワカサギの群れが回遊していれば、間違いなくヒットする。ただし、慌ててはいけない。ゆっくりと上にサオを持ち上げて、そのまま道糸を手でたぐっていく。エサの鮮度が釣果を分けるので、コマメにエサは変えてもらいたい。

 ワカサギは冬も越えて、夏も過ごしていける。今なら3年魚も交じっていて、抱卵したでっぷりしたメスも釣れる。13センチの大物から6センチのチビッコの当歳魚まで。群れによっては10センチ超ばかりということもある。

 営業は3月いっぱいを予定。昨年は4月も受け付けていた。諏訪湖レジャーセンターでは「今年も長くできるかもしれないねぇ。ベテランの指導員もいるから、安心して来てください」。あったかい釣りをしたいなら、諏訪湖においで、おいで。【寺沢卓】

 ▼ボート 諏訪湖「諏訪湖レジャーセンター」【電話】0266・53・6540。営業は午前7時~午後3時。ドーム船は大人2700円、中学生以下1500円。遊漁料は高校生以上1000円。

 ▼交通 電車ならJR中央本線・上諏訪駅からタクシー利用。車では中央道・諏訪インターから諏訪湖・原田泰治美術館を目指す。