茨城・那珂湊のマダラが食べられる。この4年間、東日本大震災で福島第1原発が事故を起こした影響で漁もできなかった福島県沖のマダラに関して、2月24日に出荷制限が解除された。茨城・千葉県沖のマダラは昨年11月にすでに解除されていたが、太平洋のマダラが全域OKになった。那珂湊「北翔丸」から出漁した。

 深海釣りを得意とする北翔丸が26日、幻の深海魚アブラボウズ狙いの乗合船を出した。目指すは茨城と福島の県境となる東の海域だ。那珂湊から約2時間、50キロ余のポイントになる。一帯は深さが400メートル前後。絶好の釣り場だ。

 最初に結果を書くとそれこそボウズ(釣果ゼロ)だった。今季初のアブラボウズ釣りだったが残念な釣果となってしまった。潮温は5度台。「これじゃぁよ、制限が解除されても、まだ厳しいなぁ」と桜井清太郎船長も苦笑いを浮かべるしかない。

 最後の1投でマダラがヒットして魚がいることは確認できたが、アブラボウズは今後、潮温が12~13度に上がってくる4月中旬以降に期待が持てそうだ。

 釣果の面では、好材料もある。真沖の水深300メートル前後の海域に22日、メヌケとマダラの釣りで出漁した。2~3キロのメヌケが6匹、マダラは3~7キロが36匹キャッチできた。

 「南の海は寒流が入ってこねぇがら、メヌケもマダラも活性がいい。ここなら計算できるな」と桜井船長。メヌケ&マダラの仕掛けは、12号のハリスにムツバリ22号が5本のサビキ。間隔は1・1メートルで枝スは50センチ。オモリは350号で底まで落とす。電動リールは中型でも対応でき、PE8号を600メートル巻いていれば大丈夫だ。エサはイカやサバを3枚におろして、半身のさらに半分をチョン掛けする。

 常連の皆川雄作さん(44=水戸市)は「基本的にマダラもメヌケも向こう合わせ。アタリが来てもじっくり待つ。へたに合わせるとはじいちゃうからね。緩やかに張るイメージでオモリは底につけておく。オマツリに気をつけていれば、釣れますよ」とニッコリ。

 4年分のお待たせ。那珂湊のマダラは季節を問わない。この春、マダラのナベや煮付けで深海のおいしさを満喫しませんか?【寺沢卓】

 ▼宿 那珂湊「北翔丸」【電話】029・226・5941。午前5時出船。メヌケ&マダラの乗合はエサ、氷付きで1万6000円。アブラボウズの乗合はエサ、氷付きで1万9000円。要予約。