大型のヘラブナが狙える岡山市南区の鴨川(七区調整池、通称秀天)で12日、「へら研阪神クラブ」の月例会が行われ、29人が参加した。2日前に降った雨のためか水位が高く濁りがある好条件の中、筆者も左岸の漁港下手で底釣りなどで挑戦。巨ゴイとマブナの猛攻に大苦戦したが、なんとか本命の41・1センチをキャッチした。また全体で46センチ台が4匹、40センチ超が20匹以上釣れるなど、大型ヘラ連発にわいた。

 午前7時半すぎ、気温12度で曇天の中、鴨川筋左岸の漁港下手に妻の栄子と並んで入った。

 この時期は、産卵のため、児島湖から遡上(そじょう)する大型ヘラが狙える。普段より水位は高く濁りがあり、足元では時折、ハタく(産卵)姿も見られる。いつも見える乱杭がわずかに水の中に沈んでいる。この乱杭の先を狙うべく、10尺のサオを選択。底を測ると約80センチ。エサを作り、両ハリに人さし指大のサイズにして付ける。弱い東風が吹く中、同8時前より釣りを開始した。

 数投目、早くもウキに変化が出て、チクッと入るアタリ。すかさず合わせるとドッシリとした重みがサオを通じて伝わってくる。サオを伸されそうになるが両手で応戦、タモに納まったのは本命のヘラブナ。検寸してもらうと、41・1センチある。思わずガッツポーズ。最高の滑り出しだ。

 だが、ここから思わぬ大苦戦を強いられた。この後もアタリは続くが、巨ゴイの連発でことごとくハリス切れ。コイがいなくなったかな、と思うと、今度は30センチを超えるマブナが入れ食い状態。手がだるくなるほど釣れてくる。

 同11時前からは調整池の放水が始まり減水。みるみるうちに沈んでいた乱杭が顔を出し、ウキの動きも静かになる。昼からは南東の強風(向かい風)が吹いて波が出始め、足元にシブキがかかる。このころからまた濁りが入り、再びアタリが出る。しかしやはり巨ゴイとマブナばかり。いつか本命が来るはず、と午後4時前まで頑張ったが、結局朝一番で釣れた1匹のみに終わってしまった。

 それでも、この日は期待通りの大型がそろった。2匹長寸で競った例会で優勝した元吉茂司氏が44・3、41・3センチの良型をそろえたのをはじめ、全体では46・7センチを筆頭に46センチ台が4匹、40センチ超も20匹以上釣れた。筆者も、再挑戦へ闘志をかきたてられた釣行だった。【日刊FPC・藤井秀和】

 【今後の見通し】この時期、毎年50センチオーバーの巨ベラが釣れている。過去の状況から、向かい風と濁りの入っているポイントが良い結果につながっている。また、夕方に時合が訪れることが多い。特にこの時期は狙い目。6月ごろまでは期待大だ。

 【交通】山陽自動車道の備前ICから岡山ブルーライン(県道397号)に入り君津で国道2号(岡山バイパス)へ。旭川大橋を過ぎ玉野方面(標識を見て側道に入る)に進み青江の交差点を左折、同30号を南下。JR宇野線の常山駅の手前、東高崎の信号を左折、鴨川沿いを走り七区調整池へ。