寒波の影響で一時姿をひそめていたマダイが、駿河湾でも再び釣果としてあがってきた。沼津・久料(静岡)の「魚磯丸」では22日、マダイ釣り教室を開き、7人が参加。日刊釣りペン・クラブの加藤雄二さん(59)の指導のもと、コマセマダイの基本をしっかりと伝授された。釣況が不安定な中、約2キロのマダイが釣れた。

 右舷ミヨシ(船首)の金子禎伴(よしとも)さん(56=埼玉県上尾市)のサオがブルンと震えてからギューン。「慌てない。サオをゆっくり持ち上げて。角度は上に45度のイメージ。それでしっかり掛かるよぉ」と加藤さんの指示が飛んだ。

 しっかりとポンピングする金子さん。2分ほどのバトルで約2キロのマダイが浮かび上がってきた。やはり、いた。妻祐理さん(57)も寄り添って記念写真をパシャリ。

 金子さん家族は、お姉ちゃん3人の下に末っ子の長男。高校野球の強豪校に入った。中学までつきっきりで夫婦で野球の応援だったが、高校生になって少し手が離れた。金子さんは「カミさんはほとんど釣りをしないけど、これからは一緒に釣りを楽しみたいので、マダイ教室に応募した」と話すと、祐理さんは「主人に教えてもらうとケンカになる。教室なら丁寧に教えてくれる、って。私のマダイは次回に期待します。楽しかった」と笑顔。

 釣り教室に参加する理由はさまざまだ。左舷ミヨシから陣取った3人組は、川島彰さん(50=神奈川県茅ケ崎市)と長女摩耶さん(18)、そして川島さんの仕事仲間の青柳光紀彰(みきあき)さん(29=同)。この前週、3人はムギイカ釣りで魚磯丸に乗っていて、マダイ教室のことを知った。ムギイカで楽しい思いを味わったこともあって、摩耶さんが「マダイも釣ってみたい」と話して、参加を決めた。

 左舷トモ(船尾)は釣り歩くのが趣味、という田中憲治さん(68=同海老名市)。「もうさ、定年過ぎてさ、パソコンで釣りの情報を集めているんだ。魚磯丸のHPをみて、こんな教室を待っていた。すぐ応募しましたね」とニヤリ。右舷トモの長谷川千保子さん(28=東京都中央区)は看護師をしていて、たまたま休日が水曜で合い、知人を通して教室のことを耳に入れて申し込んだ。「マダイは釣れなかったけど、メバルは釣れた。マダイ釣りの基本を学べたので、次ですね、次」。

 加藤さんは「とにかく一生懸命。伝わってくるもん。また、3回目も計画したいですね」と話した。最後は、修善寺の旅館「桂川」の名物料理長、大多和貴行さんがさばき方のコツを伝授してくれた。「出刃包丁の先を使うと楽なんだ」「意外と難しくないのね」と参加者も大感激だった。

 3回目の教室も楽しみにしていてくださいよ!【寺沢卓】

 ▼船 久料「魚磯丸」【電話】055・942・3230。マダイの乗合は午前便が4時30分、午後便は午後0時30分集合で、エサ、コマセ、氷付きで9500円、通し利用は1万8000円。