春はチヌの数釣りが期待できる乗っ込みの季節。和歌山・湯浅の磯でもすでに釣期が始まっており、22日、磯チヌを求め「なぎ丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で横苅藻島に渡礁。絶好の釣日和のなか1日サオを振り、35~45センチのチヌ7匹をキャッチ。45センチ級のマダイまで釣れ久しぶりに磯のフカセ釣りでチヌの引きを楽しんだ。

 午前5時、空が白みだしたのを合図に港を出船。15分ほどで名前を呼ばれ「横苅藻島・前ジロ」に渡礁。満潮の時間帯と重なり、本命の釣座は水没。潮が引くまでサオ2~3本前方までシモリが広がるポイントでチヌを狙った。

 まず足元、そしてシモリの際にマキエを数回打つ。エサ取りの姿も見えず、水面に広がるマキエの濁りから潮は南から北へ流れている様子。マキエを打ちながら仕掛けをセット。底が見える程の水深なので、B負荷の仕掛けでウキ下は3ヒロからスタート。海底をよく見ると15~20メートル沖にシモリが点在。まずその周辺を探る。

 ファーストヒットは開始から1時間足らず。海面に見え隠れするウキがスーッと引き込まれ、軽く合わせを入れるとグングンとサオをたたくチヌ特有のカブラ振り。軟調ザオが満月にしなる。水面に現れたのは、45センチのでっぷりした乗っ込みチヌだった。

 2匹目は少し小ぶりだが、前方にある大きな沈み根の際で食ってきた。よし3匹目も、と意気込むが、潮が止まってしまう。みるみる潮位も下がりチヌの気配は全くなくなった。これではお手上げ…夕方の潮が満ちてくる時にチャンスが来るだろうと祈りながら仕掛けを打ち返す。

 時計を見ると午後4時すぎ…。先端の本命釣り座から、左前方に流れ出した潮にすかさず仕掛けを入れると、これまで気配がなかったのがウソのようにサオ先まで引き込まれるチヌのシグナル。35センチと小ぶりだが、長時間粘って釣れたチヌだけにうれしい。この後、一気に入れ食い状態になり、1時間半で35~44センチのいぶし銀チヌが5匹ヒット! 45センチ級のマダイもサオを絞り込んでくれた。結局35~45センチのチヌを7匹キャッチし、同6時の船で気分よく磯をあとにした。【日刊FPC・前西喜弘】

 【今後の見通し】現在水温は18~19度で、チヌは本格的に食い始めているようだ。これからさらに活性が上がり、5月の連休明けくらいまでは乗っ込みチヌが楽しめる。

 【問い合わせ】なぎ丸【電話】0737・62・3891。渡船料金は4000円。出船は、午前5時(5月から同4時半)。ほかにも、かるも丸【電話】0737・62・3527がある。

 【交通】電車はJR紀勢本線の湯浅駅下車。タクシーで約10分。車は阪和自動車道の有田ICを出て国道42号に入り湯浅の交差点を右折。約3分走りなぎ丸旅館前で左折、県道175号へ。なぎ大橋を渡ってから2つ目の信号を右折、渡船乗り場へ。