兵庫・家島諸島でキス釣りシーズンが開幕した。24日、「知々丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で同周辺へ出た。この時期は食いが渋いが良型がそろう。午前6時半ごろから同諸島松島周辺に入り、午後1時半の納竿までにサオ頭の金戸和明さん(姫路市)が17~20センチを25匹釣り上げた。24センチの良型をキャッチした人もおり、今季を期待させる幕開けとなった。

 家島諸島のキス釣りシーズンがスタートした。初日のこの日、港を出て松島周辺に入り、午前6時半ごろにサオを出した。記者は左舷中央付近で2本バリのてんびん仕掛け。エサはイシゴカイとアオイソメを用意し、まずアオイソメで挑戦。仕掛けを投入し、着底後は少し道糸を巻き上げ、ときにサオを上下させキスの食いを誘ってみる。

 水温は13度。この時期はキスの警戒心が強く、食いが渋い。なかなか反応がないが、それでも同8時すぎからぽつぽつあがり始めた。船尾に入った七野正雄さん(岸和田市)は、イシゴカイをエサにカレイなどとともに、キスも2ケタ釣り上げた。

 同10時ごろからは時合が来たのか、あちらこちらでヒット。広納浩和さん(姫路市)も「食いが渋いね」と言いつつ20センチ前後の良型を食わせた。

 3本バリで連掛けをしたのは、この日25匹を釣りサオ頭となった金戸さん。右舷前方に構え、アオイソメをエサに、底から30センチ上付近で仕留めた。記者は結局20センチのキス1匹だけに終わったが、シーズン中は15回は来るという常連、金戸さんに食いが渋い時期のキス釣りのコツを教えてもらった。

 <1>エサを短く切る 食いが渋い時期は食べやすい大きさに。

 <2>誘いは控えめに 活性の高い夏場と違い、誘いは軽く3回くらいサオを上下させてしばらく待つ。

 <3>早合わせは禁物 アタリがあってもすぐに合わせないことが肝心。食いが浅いので、早合わせするとエサをはき出してしまうこともある。ハリを飲まれることを覚悟したうえで、食い込ませるほうが確実。

 ほかにも、サオを使い分けるなど工夫して、午後1時半の納竿までキス釣りを楽しんでいた。この日は24センチを釣った人もいるなど、秋まで続く家島諸島のキス釣りは順調に開幕。今後は数釣りも期待できる。記者も再度挑戦してみたい。【高垣誠】

 【今後の見通し】水温が上がってキスの活性があがるこれからが本番。5月の連休明けごろからは数釣りが期待できそうだ。夏場には型は小さくなるが、3ケタ釣果も狙え、10月ごろまで楽しめる。

 【問い合わせ】知々丸【電話】079・327・1761。乗合船料金は6500円(3人以上で申し込むと、各人500円引きになる)。氷付き、エサ別。出船は午前5時半ごろ。

 【交通】山陽電車の飾磨駅下車、徒歩約15分。タクシーで約5分。車は姫路バイパス中地ICを出て、県道415号を南へ。陸橋を越え、最初の信号を左折する。須加バス停を右折、突き当たりを右折してすぐ「知々丸」の駐車場。