さあ、いよいよ、東京湾のコマセダイが本格化してきた。開催中の「Tokyo Bayマダイダービー」も今月17日(日)が最終日だったが、マダイの活性化をにらんで31日(日)まで延長することに決めた。そこで、マダイの教室では実績のある横浜・金沢八景「太田屋」に女性釣りサークル「スプラッシュ!」が乗り込んだ。参加9人はほぼ初心者。さて、東京湾の難敵マダイが姿をみせてくれたかなぁ?

 コーチ役の日刊釣りペン・クラブの加藤雄二さん(59)が「コマセで狙うマダイ(コマセダイ)は、チーム戦。道具の使い方をちゃんと理解してもらわないと、全員ボウズ(釣果ゼロ)だってある」。そこで、釣り方の説明から入った。

 (1)同じタナを攻める コマセカゴを同じ高さに合わせる。マダイは臆病な魚なので、海底にカゴを不用意に落としてしまうと、その場にいたマダイがすべて逃げてしまう恐れがある。カゴの位置は、海面から数えた長さで船長が指示する。そのタナを守ることが最も重要なのだ。

 (2)長いハリスはトモ側 船は風に向かって流していく。ミヨシ(船首)からトモ(船尾)に風が吹きぬける。釣り座でトラブルを避けるには、巻き上げるときに、8メートルの長いハリスは風に逆らわずにトモ側の床に落とす。「ハリスを落とす場所は少し水をまいておくと飛ばない。何も置かずに“聖域”にしてほしい」と加藤さん。

 この2つを覚えてもらってから船に乗った。この講義が功を奏した。

 「スゴイね。常連でもなかなかない。タナが合ってるよ」と池田芳之船長(60)がうなった。指示ダナは30~40メートル。電動リールの表示は誤差が出ることがあるので、道糸の10メートルごとの色で、落とした長さをはかることで統一した。魚群探知機にはきれいな赤い線が指示ダナにひかれた。マダイが釣れるのは時間の問題だった。

 右舷トモから2番目の平野光子さんのサオがギュンと曲がって、2・1キロをキャッチした。平野さんは2週間前に試釣をしていたが、500グラム前後の小型を「なんとなく」釣ってしまった。「今回はちゃんとアタリの瞬間もわかったし、ゆっくりと合わせる方法もバッチリ。たのしー」とニッコリ。

 この光子さんのキャッチを合図に二関昌代さん、長島ふみえさん、松島理恵子さんと右舷ばかりが釣り上げた。サイズは500~600グラムと小ぶり。まだ、大きいマダイは底付近から様子をうかがっている状態なのか。

 左舷ミヨシでは、「スプラッシュ!」リーダー、アミーゴこと西條亜弥が軽くサオを揺らして誘いを入れて、ヒットさせた。加藤さんも「うまいね、さすがだ」と感心。その後、右舷ミヨシの山口結花莉さんがキャッチして、アミーゴを含めて10人中6人がマダイを釣り上げた。他船が苦戦する中、「素晴らしい釣果。釣れなかった人も、次回は釣れますよ」と加藤さんは励ました。

 このゴールデンウイーク(GW)でマダイ爆釣のきっかけがつかめそうだ。【寺沢卓】

 ▼宿 八景「太田屋」【電話】045・782・4657。9日(土)に加藤さんを講師に教室を実施します。午前6時30分集合、同7時20分出船。メンバーがそろったら、釣り方の説明と釣り道具のチェックを行うので、集合時間は厳守。エサとコマセ付きで1万500円。そのほか、午前中にシロギス、メバル、カサゴなどの釣りをして、午後屋形船で出船して90分のランチを楽しむコースもあります。10人以上からで、1人1万500円。