大きな吸盤が食べたい! 内房・富津(千葉)「みや川丸」では、4月25日からマダコの乗合船がスタートした。最大で3・6キロが掛かり、連日2キロ超が記録されている。マダコは大きければ大きい方がおいしい。特に吸盤は食感がプチプチして絶品だ。昨年、チビダコしかゲットできなかったタコ女子が「今年こそキューバン」と1日に意気込んで船出した。
学生時代にニホンザルの生態を研究して日本中を旅していたアズキが、1年ぶりにマダコを狙いに富津に戻ってきた。最近では魚の捕食活動に興味を抱き、釣り全体を分析し、おいしい魚を探し歩いている。昨年は同船で2・7キロの大物が飛び出したが、アズキは300グラムのチビダコだった。
「キュ、キューバンが食べたい」
どこで仕入れてきたのか、大きなマダコほど、その吸盤がおいしくて絶品であると学習してきた。
「みや川丸さんでマダコが始まった、と聞いてウズウズして来ちゃいました。今度こそ2キロ超を引っ捕らえます」
やる気満々だ。
まずは出船前に宮川淳船長がマダコの乗せ方の講習会を開いた。受講生は、この日、マダコ初体験の相見(あいみ)健司さん(50=所沢市)と、2度目だけどちゃっかりアズキも加わって…フムフム。
「もう1年だもん、忘れちゃってる。でも、こうして丁寧に解説してくれるからうれしいなぁ。ビギナーに優しい、ッスよね」
さあ、出船だ。
釣り場は富津沖の水深15~30メートル。サオは使わず、直接、渋糸を両手で握って、イシガニを巻き付けたテンヤ仕掛けでマダコを誘う。仕掛けを止めたままでは、マダコは乗ってこない。
そう、マダコは仕掛けの上にズーン、と乗る。水の入った袋が乗っかってきたイメージでいい。この「ズーン」を感じたら、両手で糸をたぐってくる。マダコが見えたら、腕を伸ばして取りこむ。船体にくっつくと取れないので、腕を伸ばしてほしい。
ボウズ(釣果ゼロ)なし。乗船した10人全員がマダコをゲットできた。
タコボウズ記者は根掛かりと勘違いして強引に引き上げたら1・5キロのマダコだった。いつ乗るか、それはマダコにしか分からない。気を抜いてはいけない。
「そうなのよね。マダコってベテランもビギナーも平等って感じ。あとはちゃんと乗ったときに巻き上げられるか、ね」
アズキも最初は、昨年よりもちょっと大きい400グラムだったが、残り20分で2・1キロを捕獲した。
「わーい、キューバン、食べられるわぁ」
釣った魚をさばいてくれる目黒「寿し ながもと」に直行。キラキラの吸盤、いただきました。
「プチプチだけじゃなくて、甘~い。これがキューバンなんだ。サイコー」
さあ、大きなマダコ、釣ってみよう。ビギナーにもチャンスありますよ。【寺沢卓】
▼船 富津「みや川丸」【電話】0439・87・4137。マダコの乗合は、タコテンヤのレンタル、持ち帰り用ネット、氷付きで9000円。女性と中学生以下は6000円。高校生以上の男性は、HPのトップページを印刷してくると500円引き。定休は第3金曜。乗船は要予約。
▼すし 目黒「寿し ながもと」【電話】03・3779・7741。釣った魚を握りますよ。営業時間は午後5時から翌朝午前5時まで。目黒区目黒1の6の14、地下1階。